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ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2011年11月15日 火曜日 (第40回)
テーマ
「7社から500万円の借金。任意整理を考えているのですが、どうしたらいいですか?」
| 話者名 | 話の内容 |
|---|---|
| 上柳 | 毎週火曜日は、ごごばん! リスナーの、あなたの「法律の問題」についてお話をうかがいます、「ごごばん!法律クリニック」。スタジオには、白川勝彦法律事務所所長、弁護士歴39年。おなじみ、白川勝彦弁護士です。宜しくお願いします。 |
| 白川 | 宜しくどうぞお願い致します。 |
| 増山 ・堀 | 宜しくお願い致します。 |
| 話者名 | 話の内容 |
|---|---|
| 上柳 | では早速、今日のご相談内容です。今日は、匿名の男性 ─ 50歳の方からの、このメールです。 |
| 増山 | 私は、10年前まで自営業を営んでいたのですが、その頃に母親が入院。経営が傾いていたこともあり、自営の仕事を辞め、今は、派遣社員として働いています。しかし、この6年間で消費者金融7社から借り入れが総額500万円になってしまい、枠内の利用停止になりました。任意整理を考えているのですが、どうすればよいでしょうか? |
| 上柳 | ご家族が病気になってしまうと、それまでと同じリズムで生活ができずに、こういうことも十分に考えられるのではないかと思います。白川弁護士のお話を伺います。大変ですよね。 |
| 白川 | そうですね。ただ、この方、派遣社員と言っていますけど…。 先週でしたっけ? 非正規雇用の話をしましたが、普通の派遣社員だと、この月々の返済金を返すお金、出てこないと思います。たぶんこの方、若干特殊な技能を持っていて、月30万円くらいもらえる派遣社員でないと、こういう質問、ちょっとあり得ないと思うんですよね。20万円以下の派遣社員って、多くいますからね。そういう方じゃないような気がします。 それから、枠内で利用停止ってありますけども、かつては、枠内ならばいったん返しちゃうと、また借りられたんですね。たとえば、100万で借りていくと、95万円になるとまた50,000円は借りられたんですけども、それは年収の3分の1規制ということで、去年からなくなりました。その関係で、新たに貸し出しは出来なくなったんですね。 それでですねぇ…今日は、ちょっとこの方の例で、いつも話をしている任意整理という、私ども弁護士が毎日やっている債務整理の事を、ちょっと具体的に考えてみたいと思うんです。 分かりやすくするために、7社から全部、いっぺんに500万借りたわけじゃないんでしょうが、500万借りたとしましょう ── ちょうど、今から6年前に500万借りました、と。当時は、金利が高かったですから、一番高い例で29.2%というのが、当時許された一番高い業者の金利です。それで7社から借りますと、1社から借りる月々の返済金は、17,850円くらい。これは、良かったケースです。(下の金利計算書、黄マーカ部分参照) この方の場合、どうだったのかと言うと…ずっと返してきますね。本当は、返しては借りたりするんだけど、今回は分かりやすくするために、125,000円ずつ返しました、と。そして、ちょうど6年間経ちまして、この間に返済した金額は、全部足しますと887万円なんですね。 返したお金は887万円なんですが、そのうち、驚くなかれなんと、金利だけが824万円なんです ─ 29.2パーセントだとね。ですから、元金はまだ500万借りても436万残ってますから、ほぼ元々あるって話なんですね。 |
| 堀 | 887万円返してるんだけれども、でも、まだ返せてない …… 436万円、残ってるってこと? |
| 白川 | 元本は60万も減ってないってことですね。しかし、これ高い金利だからだけども、125,000円払って、次の欄に書いてある金利が120,000円と書いてありますよね。この差額いくらですか?…125,000円のうち、その差額の5,000円が元金に入っているわけですよ。だから、バカみたいでしょ? 当時は、こういうことが平気であったんですよ。 だけど、今だってあるんですよ … 特に、女性の方、こういうトラブル ─ 金利が高いとか少ないじゃなくて。 要するに、自分が払う中で金利だとか手数料がいくらだと、どれだけ元本に繰り入れられるかが大事なんですよ。今、リボ払いなんていって、買っても月々の支払いは変わらないとかっていっぱいあるでしょ? |
| 堀 | じゃあ、家のローンとかでも、変動型にしてなかったら ─ 固定型だったら、もう一回見直した方がいいってことですか? |
| 白川 | それは、私、ちょっと難しいですが。リボ払いの話とは、またちょっと違うんで。 要するに、金利や手数料を払って、実際に元金にいくら繰り入れられるかって、その差額の問題なんです。今、リボ払いは法定金利ですよ。しかし、金利がほとんどで、元金がほんの僅かだったら、140回払いなんて平気であるんですよ。140回っていうと、13年くらいかな? リボ払いをやっている人は、比較的に女性に多いんですよ。 だから、これは決して難しいケースじゃないんです。ただ、この人のケースの場合、ずっと払ってきたけど、元本がまだ436万も残っていると。これを、我々弁護士は、利息制限法という法律に従って利息計算をするわけです。そうすると、この方の場合どうなるかというと … ちょうど1年前くらいに元金は0になって、過払い金は120万出てるというケースなんです。 |
| 上柳 | 何年か前に、全部払い終わってると… |
| 白川 | 1年前ですね。1年前に、ちょうど元金は法律上で0になって ─ これが、いわゆる任意整理の中で我々がやることです。 時間がなくなりましたので、もっと詰めますと、昨年からグレーゾーン金利がなくなったって話は、何度かしてますよね。ただし、こういう利息計算をして、これだけしか法律上で返すお金がありませんとは、業者は誰も言わないんです。高い金利を法定金利に引き下げます事までは、やりますけどね。前契約まで無効だ、というわけじゃないですから。 ですから、現在は法定金利であっても、元金そのものが減ってますから、過払い金が出ている事があります。 今日の話を分かりやすく言いますと ─ こういう専門的なことは分からないと思いますが ─ 5〜6年、消費者金融とか高い金利を払った場合は、弁護士と相談することがいいんじゃないかと思います。過払い金が出る、出ないは別にしても、元金が確実に減りますから。なおかつ、我々弁護士がやる場合の一番大事な事は、利息計算をして元金を減らした上、それに対して金利を付けることはやめてくれということで、和解を取り付けますから、月々の支払いは相当少なくなると思います。 |
| 上柳 | お時間でございます。白川弁護士でした。ありがとうございます。 |
| 増山 ・堀 | ありがとうございました。 |
上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー / 堀ちえみ氏 = タレント曜日パートナー (文中敬称略) | 第39回 | TOP[t] | 第41回
