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日中友好関係の肝

14年11月08日

No.1702

日中首脳会談が、漸く開催されるようである。マスメディアが、必死に報道している。誠に結構なことだが、私はあまり、スッキリしたものを感じることができない。“地球儀俯瞰外交”などといって、暇さえあれば否無理やり暇を作っては、世界中を回っている安倍首相だ。しかし、小笠原諸島や八丈島周辺の領海で、中国漁船が数百隻も違法操業しているというのに、正面から堂々と抗議し退去させられないようでは、安倍外交とはいったい何なのだ、という疑問が国民の間に生じる。最近では、経済界からも不満が出ているようである。

このような事態に対して、安倍首相と政府筋は焦っていたのだろう。日中首脳会談を実現して欲しいと、福田元首相など多くの人が中国筋に働きかけてきた。その結果、漸く首脳が実現することになったのだが、私は、そこまでする必要があるのかと常々思っていた。そもそも、日中関係が険悪となった原因は、安倍首相の歴史認識と、それに基づく無思慮な言動に主な原因がある。その根本を改めることなく、日中友好関係を築くことはできないからである。

関係改善に向けて日中が4つの合意

  1. 双方は、日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を順守し、日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した。
  2. 双方は、歴史を直視し、未来に向かうという精神に従い、両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた。
  3. 双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。
  4. 双方は、様々な多国間・二国間のチャンネルを活用して、政治・外交・安保対話を徐々に再開し、政治的相互信頼関係の構築に努めることにつき意見の一致をみた。

以上は、日中両外務省が今回発表した合意文書だが、何とも仰々しいというか、奥歯に物が挟まった表現ではないか。安倍首相は昨日(11月7日)BSフジテレビに出演して、日中首脳会談が開催される可能性が大きくなったと発言したそうだ。その際、靖国参拝について「この合意文書は一言も触れていない」と発言したようであるが、こういうところが、まことに子供じみている。この合意文書の第2項には、ハッキリと書いてあるではないか。それが、日中関係に精通している者の常識である。

たぶん、安倍首相が出演したフジテレビの番組は、毎日午後8時から始まる『プライムニュース』であろう。この番組こそ、私が知るわが国最悪の報道番組である。まさに、フジサンケイグループの本領を露呈している右翼反動御用達の番組である。私は、この局で毎日午後7時から始まる『鬼平犯科帳』の大ファンだが、この番組のキャスターの顔を見るのも嫌なので、“鬼平”が終わるやいなや、急いでチャンネルを変えることにしている(笑)。

人間関係と同じように、外国との関係は政治的・経済的関係だけではなく、社会的関係でもある。相手に対する政治的・経済的・社会的な正しい理解なくしては、良好な関係を築くことなど、決してできない。政治的・経済的・社会的に相互に理解できないものがあるならば、無理して関係を築く必要はないと、私は思っている。私たちは、現に日常の人間関係では、そうしているではないか。外交関係だって、同じだと思っている。もちろん、関係を持たないという不利益は覚悟しなくてはならないが…。

日本と中国は、一衣帯水の国である。だから相互に良好な関係を築かなければ、その不利益は大きなものとなる可能性 ─ リスクがある。だから、友好関係を築くことは、バイタル(死活的)に重要なのだ。その覚悟がなければ、中国との友好関係は築けない。安倍首相に果たして、その覚悟はあるのだろうか。中国に対する、透徹した政治的・経済的・社会的な理解が必要なのだ。韓国とも同じだ。ところで、政治的・経済的・社会的な理解とは、私が最近問題としている“文化に対する理解”そのものなのである。

※ 一衣帯水
一筋の帯のような川・海。その狭い川や海峡をへだてて近接していることをいう。<広辞苑>

今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。

  • 14年11月08日 08時37分PM 掲載
  • 分類: 3.国際政治・外交

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