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亀井氏が投げた賽の政治的意味

07年02月23日

No.345

前2編で小沢一郎民主党代表が投げた賽の政治的意味を私は書いた。非常に難しく、かつ厄介な問題であるにもかかわらず、多くの方々が丹念に読んでくれたことに心から感謝申し上げる。自民党や公明党は、小沢氏が多額の不動産を購入したことを執拗に攻撃するであろう。その攻撃は政治資金規正法の本来の趣旨を理解できない国民のかなりの部分にはそれなりの効果をあげるであろう。小沢氏はそのことをあえて覚悟の上、全容を公表したのである。政治家の命懸けの行動を正しく受け止めなければならない。今日は亀井静香国民新党代表が投げた賽の政治的意味を考えてみたい。


亀井静香衆議院議員 総理は、池田大作名誉会長に、去年の9月ごろ、お会いになりましたか。お会いになったっていいんですよ。池田名誉会長は世界の第一級の人たちとどんどん会っておられますね。そういう人物と一国の指導者がお会いになるというのは当たり前の話です。これは、池田大作名誉会長だけじゃなくて、ほかの宗教団体のトップだって同じことです。私は、それはいかんと言っているんじゃないんですよ。
 そうじゃなくて、お会いになっているということを読売も書き、毎日も書き、日本経済新聞も書いているでしょう、具体的に。それで、予算委員会で総理は、いや、会ったことはないと執拗に否定をしておられる。国民は、総理が何か嘘を言っておられるんじゃないか、隠しておられるんじゃないか、大新聞が全部報道しているんですから、今そう思っているんですよ。
 だから、私は、お会いになられたことは、もうお会いになられていいんです、何も悪いと言っているわけじゃない。しかし、こういう状況だと、創価学会と一国の総理との間に何かやましい関係があるんじゃないか、隠さにゃいかぬ関係があるんじゃないか、そういう疑心が生まれる危険性があると言っているんですよ。だから、私は、お会いになられたら、率直にお会いになられたということをおっしゃったらいいと思いますよ。どうですか。
安倍内閣総理大臣 池田名誉会長と私がお日にかかったかどうか。これは、もう既に委員会で申し上げておりますように、お目にかかったことはございません。」

森田実氏のWebサイトに2月13日の亀井質問の要旨が掲載されていたので、そこからの引用である。私は亀井氏が質問をする数日前に、ある所で偶然亀井氏と会った。そのとき私を含めた数人の者に「2月13日の予算委員会で創価学会問題をやるからな!」といっていた。そしていろんなところから止めて欲しいという働きかけがあるともいっていた。一見何でもない質問のように見える質問だが、亀井氏の上記質問の政治的意味は非常に大きいのである。まず創価学会問題に触れることが、いまや日本のタブーのようになっている中で、一党の指導的立場にある政治家が国会の場で、このような質問をすること自体に大きな政治的意味があるのである。

私はいま「創価学会問題に触れることが、いまや日本のタブーのようになっている」と書いた。自民党において創価学会問題に触れることはいまや完全にタブーであり、このタブーを侵す者は抹殺されると『FORUM21』に連載中の「創価学会党化する自民党―2および3」で詳しく述べた。しかし、これは自民党だけでなく、日本全体のタブーになりつつあるようである。そうでなければ報道した記事を安倍首相から完全に否定されたにもかかわらず訂正記事も反論記事も書かない新聞各社の対応は理解できない。これはジャーナリズムとしての自殺行為である。蛇に睨まれた蛙のようではないか。こういう状態をタブーといわずに何と表現すればいいのだろうか。タブーが支配する社会は、自由にして民主的な社会とは絶対にいえない。

創価学会の政権参加に長い間異議を唱えてきた者として、私は亀井氏の質問を聴いていて誰も指摘していないもうひとつの大きな問題がこの一件にはあると考えている。安倍晋三氏(首相になってからかその前のかは定かでないのであえて肩書きは省いた)が池田大作創価学会名誉会長と会ったかどうかという点であるが、私はこの目でみてはいないが報道やこの質問後の報道各社の対応から判断して、10中9以上事実であると判断している。それを前提にしての話だが、創価学会と安倍晋三氏との関係は、実際には会っているのに誰に訊かれても「会ってないことにしましょう」と合意し、そう振舞っていることである。秘密を守れる関係というのか、秘密を創出できる特殊な関係にあるということである。いちばん問題なのは、この点だと私は思うのである。

小泉純一郎氏が池田大作創価学会名誉会長と会ったかどうかということも同じように取り沙汰されている。これも報道や報道後の報道各社の対応などから判断して、10中8以上事実であると判断している。そうなるとこれは小泉氏や安倍氏だけではなく、創価学会と自民党とがそのような特殊な関係にあることになる。このことは、わが国の政治にとって大きな問題だと私はいわざるを得ない。自由主義社会は、事実を隠蔽し秘密をあえて秘密にしておくことを拒否する本性をもっている。このような特殊な関係は、健全な自由主義社会を築く上で、看過できない大事な問題である。

創価学会や創価学会党化した自民党の大きな問題点は、排他独善―高じて批判者を抹殺する体質である。亀井氏や国民新党は、抹殺される危険をあえて冒して安倍首相に池田大作創価学会名誉会長と会ったことは事実なのかどうかと質したのだ。安倍首相は悲壮な決意で質問した亀井氏に「池田名誉会長と私がお日にかかったかどうか。これは、もう既に委員会で申し上げておりますように、お目にかかったことはございません。」と答弁したのか。天地神明に誓って、本当にこの答弁に相違ないのか。安倍首相は、この答弁の故に首を取られることになるのではないかと私は予感している。亀井氏の投げた賽の政治的意味はきわめて大きいのである。

それでは、また明日。

  • 07年02月23日 02時11分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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