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このコーナーでは、わが戦い─名付けて「平成革命」の理論や戦略などについて、私の考えや参考資料などを適時取り上げて、同志の皆さまの戦いの参考に供したいと考えております。ときどきご覧下さい。

白川 勝彦透明スペーサー


第13号

2001/6/5

月刊誌への投稿は、難しいものです

財界展望7月号表紙これまで、いろいろな雑誌や新聞に頼まれて投稿したりしたことは、自民党の国会議員としてはかなりあった方だと思っています。でも、これまで定期的に投稿を依頼されたことはありませんでした。3月の終わりころ、『財界展望』という月刊誌に頼まれて、毎月2ページをとるので連載投稿をしないかといわれました。喜んで引き受けたのですが、月刊誌の原稿というものはなかなか難しいことを初めて知りました。発売される20日前の〆切というのは、かなり慣れていないと書けるものではありません。でもせっかくのご好意ですから、これからも続けていきたいと思っています。『財界展望』7月号に載った私の投稿をご一読ください。

白川勝彦


<政界談義> 白川勝彦の「日本を斬る」

小泉"軽量内閣〟の人気は参院選まで続かない

人の噂も七十五日

私はこれまでに、けっこういろんな雑誌に寄稿したり、取り上げられてきた政治家のひとりだと思っています。また、著者もこれまでに六冊出版しました。連休前に、新著『自民党を倒せば日本は良くなる』(アスキー刊)を出版したばかりです。

でも、月刊誌に連載物を書くのは、本誌が初めてのことです。なかなか難しいものだとつくづく感じました。前号の締め切りは、四月十二日でした。その時点で、かなり冷静に自民党の総裁選について書いたつもりですが、本誌が発売された五月初旬には誰もが予想できないような「小泉フィーバー内閣」が出現していました。

このように、わずか二十日間くらいのタイムラグがかなりしんどいことであることを痛感しました。本稿も、そのようなものになるかも知れませんが、乗りかかった船ですから、できるだけ現実の政治から離れないで書きたいと思っています。「ひとの噂も七十五日」といいますが、わずか二十日間で、政治状況はこのようにガラリと変わります。ですから、現在のような高度情報社会では、七十五日=二ヵ月半もひとつの政治状況が続くことなど、まずないと考えたほうがいいでしょう。

ですから、「小泉フィーバー」が参議院選挙まで続くなどということは、一般論としてありえないということです。民主党の若手議員などは、ちょっと浮き足だっているようですが、私にいわせれば政治というものがぜんぜんわかっていないのではないかという気がします。ちょっとした現象に一喜一憂しているような政治家には日本を動かすことなどできません。

何も変わっていない

小泉首相になって、一体何が変わったのか、少し冷静になって考えてみる必要があります。派閥政治がなくなったかといえば、小泉氏は森派を離脱しましたが、森派の会長をつとめていた小泉氏に代わって、首相をやめた森氏が森派会長に復帰しました。森派は前会長の小泉氏が首相になったため、すこぶる健在です。内閣の要である官房長官や副長官も、森内閣の顔ぶれとまったく変わりありません。ありていにいえば、森氏とこれを支えていた森派会長の小泉氏が交代しただけのことです。

三役も派閥を離脱してほしいと小泉総裁は要請しましたが、在任中は離脱するといっているだけです。山崎派、堀内派はそのままですし、呼称もそのままです。副大臣以下の人事は、旧態依然とした派閥バランスが見事にとれた人事でしかありません。

小泉首相の人気の大きな理由のひとつである、派閥政治の打破だけをみても、このような状態なのです。福田赳夫氏や三木武夫氏が自民党総裁として派閥解消を唱えたときは、派閥事務所を閉鎖したり、呼称を変えたりしました。しかも、それは中選挙区制で、実際に派閥をなくすことなど困難な時代でした。

派閥にとらわれない人事といいますが、無派閥の田中真紀子外相や石原伸晃行革担当大臣を指していっているのだと思います。しかしそれは、ご両人の人気を利用したい、また非常に人気があるので現に小泉内閣の華となっていますが、小泉氏にとって利益のあることだからやったまでのことです。
こういう実態であるにもかかわらず、派閥人事を打破したという方もいう方ですが、これにコロッとダマされる国民も国民だと思います。

日本人は、寛容というのか、忘れっぽいというのか、批判の能力がなさすぎるというのか、そういわれても仕方ないでしょう。こんなことだから、中国や韓国に教科書問題でいろいろといわれるのかも知れません。

「小泉革命」の中身

派閥政治の打破などということは、実は本当はどうでもいいことなのだと思います。そんなことは、プライベートな政党の私事でしかないのです。どういう選ばれ方をされようが、ちゃんと仕事のできる立派な閣僚を選べばいいのです。

そういう目で、閣僚の顔ぶれをみて、小泉首相のいう「革命」ができるのかどうか考える必要があります。 その前に、「小泉革命」の中味とは、一体何なのか吟味する必要があります。構造改革、構造改革といいますが、財政構造改革=財政赤字を縮減すること以外に、その中味はいっこうに見えてきません。

国民は、現在の閉塞状況を打破することを強く望んでいます。わが国の政治・経済・社会の閉塞感を強くしているものは、一体何でしょうか。それは、一口でいえば、社会のあらゆる分野を自らの支配下におこうとしている官僚支配=官僚のあり方だと、私は思っています。

このことを、新著『自民党を倒せば日本は良くなる』で、いろいろな視点から分析しています。そして、その官僚支配を打破することが、自由にして活力のある日本を創ることになると明らかにし、どうしたら官僚支配を打破することができるか、その道すじと方法を明らかにしておきました。私はこれを「平成革命」と名付けました。

小泉首相が、本気で構造改革=革命を考えているのならば、私と同じ結論になるはずです。また、国民の願っている革命は、官僚支配の打破だと思います。

最軽量は首相その人

小泉内閣が総力をあげて取り組まなければならないテーマが、官僚支配の行政、もっというならば、官僚支配の社会のあり方だとしたら、小泉内閣は、あまりにも軽量内閣だといわざるを得ません。
官僚というのは、したたかで、不遜で傲慢なのです。キャッチフレーズや人気だけで、これを御するなどということはできるものではありません。官僚を説得し、これを御する理論と政治的力量が必要なのです。

小泉内閣の閣僚をみて、このような理論と力量をもっている政治家は、1~2名しかいません。このような視点からみると、もっとも軽量な閣僚が、実は、小泉首相その人なのです。
当節は、ひとの噂は一ヶ月ももちません。

小泉内閣に対する国民のフィーバーは、そんなに長くはつづかないでしょう。また、つづく必要もないのです。
小泉首相がやらなければならないことは、人気取りではなくて、わが国を立て直す本当の改革=革命を断固として行うことです。

以上

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