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新潮45 2012年1月号

特集『弁護士政治家」が日本を滅ぼす

この度し難き「法匪」たち

白川  勝彦  元自治大臣          

1945年新潟県十日町市生まれ。
68年司法試験合格、69年東京大学法学部卒業。
72年司法修習終了、弁護士登録。
79年衆績院議員に初当選(新潟6区)。
96年自治大臣および国家公安委員長に就任。

弁護士出身の政治家といえば、かつて自治大臣まで務めた白川氏がその嘆矢。
昨今の後輩達はどう映っているか?

昔は少なかったのに昨今の井浪士から転じて政治家になった諸氏について、彼らの活躍をどう評価するか、おたずねですね。確かに、今の世を大いに沸かせている大阪の橋下徹氏にせよ、国政の場で大いに気を吐いている民主党の仙谷由人氏、枝野幸男氏にせよ、見回すとずいぶん弁護士崩れ、いやこれは失礼、弁護士からの転身組が多い、多い。私が、東京大学法学部を卒業したのが一九六八年。にも司法試験に合格し青雲の志を持って、政治家を目指していた当時、まだまだ政界には弁護士出身の代議士は数えるほどでした。なかんずく自由民主党には少なかったように思います。

むしろ、社会党、公明党に多かった。これは理由がハッキリしています。選挙に擁立しようとしても、経済基盤がしっかりしていないと、なかなか上手くいきません。

政党が潤沢に活動費を限ってくれない場合、どうしても弁護士のような「手に職」を持って自活できる人に頼む傾向が強くなる。当時、野党だった社会党、公明党、共産党には多くの弁護士資格を持った先生方がいらしたように記憶します。自民党の三倍くらいはいたでしょう。 アメリカでは圧倒的に弁護士資格を持つ政治家が多いのは、ご存知ですね。英米法の社会風土にあって、利害の激しい対立をなんとか調和していくのが政治家に求められる資質ですから、弁護士の持つ調軟底力がモノを言うのでしょう。

日本の場合、自民党では、弁護士というファクターがそれほど大きな意味は持たなかったようです。弁護士だから選挙に立候補しやすいという土壌ではありませんでした。

私の場合、生まれ故郷が新潟県十日町でしたから、新潟4区(今は6区)から立候補した。最初の選挙は、三万票を敢ったものの落選の憂き目。次の選挙までの二年と十ケ月あまりを弁護士として働いてなんとか政治活動を続けられた経験はあります。正直言って、弁護士に専念して活動したのは、この約二年間だけです。

ただし、先述したように、政党にもよりますが。資金力がなかったら、経済的に丸抱えで面倒を見ましょう、ということには、まずなりません。だから、政党とすれば、こちらが「弁護士でございます」といえば、とりあえず喰うぐらいは困らないだろうと、「わかりました。じゃ、ウチから選挙に出てみますか」という話になる。

さて、それでは当時の自民党の先輩政治家で弁護士資格を持っていた大物といえば、だれになるか?・松永光さんなど、その筆頭格でしょうが、一般には燻し銀のような存在でしょう。

むしろ、今をときめく(笑)谷垣禎一氏が弁護士だったことを忘れてはいけない。八年間も東大に在学した上、司法試験にも相当時間がかかった苦労人です。ほんとは政治家になんてなりたくなかったのに、宏池会の会長代行だった宮澤喜一さんに無理やり仕立て上げられてしまった人。だから、政治家には向いていないように見うけられます。この人の場合、党首討論を見ても、弁護士だから弁が立つ訳ではない事の好例でしょう。 弁護士が、政治家に転じた場合の強みはどこにあるか、考えてみましょう。日本では議員立法をする場合、背後には官僚という「知恵袋」がさまざまに暗躍します。

政治家は、法律のプロではありませんから、文言の細目に至るまで役人がサジェッションするのです。そうしたときに、弁護士なら役人が作った法律案の案文に問題点を嗅ぎ付けられる。

「これ、ウソだろ?」「これ、なんだい? 君らの妙な窟凶が見え隠れしているなア」と、チェックするのに役立ったことは確かです。

弁護士も法の番人、法律を読んだり解釈したりするのはプロですから、無駄にはならない。

それでは、昨今の民主党政権はどうか? 弁護士が多い割には、役人の「霞が関文書」を眼光紙背に徹した読み方で解読しているふうには見えません。

だから野田政権も「直勝内閣」なんて呼ばれるほど、財務省の辣腕、勝氏に操られている。

国会での質疑をよく見ている知人に言わせると、仙谷さんは、常に自分が弁護士資格を持った政治家であることを相手に意識させるような言辞を弄するようです。

「法律学的には」とか「法律用語で言えば」などと気どるのでしょう、きっと。私が国会にいた頃とはずいぶん様変わりしたものです。少なくとも、そんな振る舞いをする先生はいなかった。

大阪の橋下さんも、私はどうも胡散臭くて信用できません。そもそも、政治史を少しでも囓ったことがあれば、「大阪維新の会」などという命名はまずしません。そんな大仰なこと、正気ならとても恥ずかしくて言えやしない。

「維新」という言葉は、日本では非常に特別な語義と語感を持っています。そう安易には使えない。

私は、自分をリベラリストだと認識していますが、橋下氏は自由主義者ではない。その対極に居る気がします。だから、最初からまともに論評する気も起きなかった。

彼が言うところの「大阪都構想」も単なる組織論です。改革改革と叫んでいるが、要するに大阪を東京都のようにしようというだけです。では、今の東京都がそんなにいいんですか、と問いたくなる。

大阪府と大阪市の二重行政打破と言ったところで、そもそも、そのレトリック自体にムリがある。大阪市という部分は、基本的に大阪府には何も手出しできないのです、法律上。

現実に議論の行き着く先は、「府にも市にも、やっぱり適正規模って、あるよね」といったところではないでしょうか。けっして維新だ改革だというほどの大それたものではないでしょう。

彼には、仄聞するところ、かつてサラ金の取立て側に立つ弁護士として活躍した実績があるといいます。今の私が、サラ金からの借金で悩む人達、多重債務者をなんとか救ってやりたいと働いていることを申し上げれば、橋下氏がポピュリズム政治家になっているについては、酷く義憤を感じるといっても、読者諸賢には御理解頂けると信じます。

彼には社会正義の観念がおそらく欠如している。そういう人物が政治筆になって脚光をあびる時代なのでしょうかね。

最後に、政治家から弁護士に、再度転身した者から、今の政界に物申してみましょう。

小沢一郎氏の「土地取引疑惑」です。彼は、司法試験の勉強をしただけあって、政治資金報告書は完璧かも知れない。政治資金規正法もしっかり勉強していて、堂々の記者会見まで行ない、「なんの法的問題も、ありません」という。しかし、小沢さん、貴兄の政治資金報告書は完璧かも知れんが、その実態を変えない限り、どのみち旧知に陥ることは火を見るより明らかだろう。

考えてもみて欲しい。しょせん、買った土地は、世田谷区深沢だけではないでしょう? いっぱいの土地不動産を政治資金で買っていなさる。政治資金報告書という代物は、要するに、政治資金の使い方が正当か、悪いのかを評価するための素材に過ぎません。報告書の書式が完璧だから、政治資金で土地を買っても良いことにはならない。

根本の問題は、明瞭至極。そんなにいっぱい不動産を買って、それが本当に政治資金として適切な使い方だったのか、否か? 小沢さん、あなたは本当に、政治資金でこんなに土地を買い漁って、適切な使い方だったと、どうやって国民に説明しなさるのか。

今こそ、国会にいて弁護士資格を有する政治家は、ことの道理で、この小沢一郎という「法匪」の横っ面を思い切り叩くときではないでしょうか。

弁護士として、私はそう期待します。

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