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 FORUM21   2008年2月1日 通巻143号

寄稿

“伝家の宝刀”が仇となる

白川  勝彦  (元衆議院議員・弁護士)

そんなに急いでどこに行く!?

2008年1月15日に越年の臨時国会は閉幕し、3日後の1日18日には平成20年通常国会が始まった。両国会とも憲法59条2項の衆議院の3分の2を使った法案の再議決が最大の焦点になる。

臨時国会では、新テロ対策特別措置法案が自民党・公明党の3分の2以上の賛成により再可決され、成立した。この法案の採決そのものは記名投票でなされたが、その前に行われた動議などは起立採決(賛成議員の起立による意思の表示で確認する採決の方法)で行われた。

そのとき起立しなかったある野党議員(反対であるから賛成する自民党や公明党の議員たちを座ったまま見ることになる)は、「それは津波が襲ってくるようだった」と私に語ってくれた。自公“合体”体制が現在もっている議席を、私はよく“化け物のような衆議院における3分の2を超える議席”と形容する。

私は国会議員としてこの身で体感したことはない。私は先輩として「そう感じたことは決して忘れるんじやないぞ。そのような屈辱を憶えておくことが大事なんだぞ」といった。政治のエネルギーとか気迫とか執念というのは、そういうことを心に焼き付けておくことによって生まれてくるのである。

国会には“神の力”などない

新テロ対策特別措置法とはいったい何か。インド洋に展開する外国軍隊に対して給油・給水を行おうという法律である。詳しいことは省略するが、俗ないい方をすればブッシユ大統領に忠義立てするだけの法律であり、現実にその役割しか果たさない。

自公“合体”政権が再可決した1月13日時点で報道各社の世論調査よれば、この法律案やインド洋の給油・給水に対する賛否は、反対が賛成をかなり上回っていた。57年ぶりの衆議院の再可決に対する賛否も、当然のこととして“好ましくない”が“好ましい”を大きく上回った。

憲法は、各院の国会議員の賛否による意思の表示を国民の意思の表示と擬制している。議会制度が創設された時代には、世論調査などというものはなかった。また代議制度は、国民の意思そのものに必ずしも拘束されるものではないともいわれている。しかし、いろいろな見解があるとしても、国民の意思と明らかに異なる意思を国民の意思とするに“神の力”などは国会には与えられていない。

再可決をめぐり、「参議院の意思が直近の民意である」とか、「憲法59条2項の規定があるのだから再可決には何の問題もない」という意見が多く見られた。私はこのどちらの意見にも直ちに賛成できない。いちばん大切なことは国会は、国民の意思を表示するものでなければならない。国民の意思がどのようなものかを確定することは必ずしも容易ではない。しかし、国会に国民の意思と明らかに異なるものを国民の意思とする“神の力”など与えられていないことだけは確かではないだろうか。

 

租税特別措置法とは?

こんどの通常国会の最大の焦点は、租税特別措置法の改正法案となる。租税特別措置法というのは、税金に関して定められているいろいろな特別措置を延長したり、廃止したりする法律である。多種多様なものがあるが、まあ政府にとって都合の悪い内容(税収が少なくなるもの)を決まった期限よりも前倒しで廃止するものはあまりない。だいたいが国民にとって都合の悪い内容(税金を高くするもの)が多い。ガソリン税の暫定税率を定めているのもこの法律である。ガソリン税の暫定税率の廃止などは、政府にとって都合の悪いものである。しかし、多くの国民は暫定税率の廃止を求めている。各種の世論調査によれば、国民の70%以上がその廃止を求めている。

暫定税率で最も“得”している者!?

ガソリン税について詳しく述べることは、紙数の関係でこれも省略せざるを得ない。ガソリン税とはガソリンに課せられる揮発油税と地方道路税のことをいう。現在のガソリン税は、第一次石油ショックの際にガソリンの消費を抑えるために昭和49年4月1日から。“暫定”的に実施されることになった税率であった。この措置により、ガソリン1リットルあたり28・7円(内訳は揮発油税24・3円、地方道路税4・4円)だったガソリン税は53・8円(内訳は揮発油税48・6円、地方道路税5・2円)に引き上げられたのである。この“暫定税率”が30年以上続いてきたのである。

地方道路税は国税であるが、国はこれを全額地方に譲与しなければならないことになっている。“地方にはいまなお道路が必要なだ”という理由で、暫定税率の維持に賛成だと地方公共団体の首長などはいっているが、暫定税率が廃止されればいちばん税収が減るのが揮発油税の入る国土交通省であることは一目瞭然である。地方の道路財源を確保したいというのならば揮発油税と地方道路税の比率を見直せばそれで良いのである。。

何と何との“ねじれ”が問題なのか

NHKなどでも“ねじれ国会、ねじれ国会”と平気でいっている。しかし、衆議院と参議院で与野党の議席が違っていることが国民にとって問題ではないのだ。その時々に行われた選挙で国民が投票した結果なのである。

国民にとって問題なのは、現在の国民の意思と違った意思が国会により国民の意思だとされることなのだ。そうした“ねじれ”が、国民にとっては問題であり、関心事なのである。マスコミなどは、こうした視点から問題を捉え“ねじれ”という言葉を慎重な扱いをすべきだと私は思っている。

新テロ対策特別措置法でも国民の意思と自公“合体”政権の意思は明らかに乖離していた。それを国民の意思としたのが、衆議院における再可決である。

自公“合体”政権はガソリン税の暫定税率を維持することも再可決で押し通そうとしている。しかも10年間も……。普通私たちは、10年間を暫定期間とはいわない。

白公“合体”政権は、「地球温暖化対策として必要だ」とか、「地方の財政や経済に穴が開く」などといって何がなんでもガソリン税の暫定税率を維持しようとしている。まさに詐欺師を見ている感がする。

再可決は道路官僚への忠義立て

自公“合体”政権は、できれば野党陣営を切り崩して参議院で租税特別措置法改正案を通過させようとしている。国民新党などは、すでに賛成することを決めている。しかし、最後は衆議院の再可決で成立させる覚悟である。福田首相がいくら丁寧な言葉を使っても、衣の下には鎧がいつも見えている。何のための誰のための再可決かといえば、国土交通省の道路官僚に忠義立てすることでしかない。

衆議院で与党の3分の2を超える議席は、逆転国会において自公“合体”政権がもっている“伝家の宝刀”である。その“伝家の宝刀”でやろうとしていることは、国民の考えとまったく違っているのである。自民党や公明党の支持が落ちるのは当然である。

自民党や公明党が自らの存在に本当に誇りと使命感をもっているならば、ブッシユ大統領や道路官僚のために自らの命運を危うくする危険な賭けはしないものである。それが責任ある者の身の処し方である。“目重自愛”という言葉は、そうした者に対する賛辞であり、心からの忠告なのである。

折角もっている“伝家の宝刀”を国民を敵にして粗末に使うことは、もっていること自体が不幸であり、結果として仇となる。自公“合体”政権は“神”なのか“仏”なのかしらないが、何か神秘的な力を与えられたと錯覚しているようである。

自公“合体”政権は、いまや狂信的存在として国民に対峙している。公明党がその出生の故に“仏がかって”いるのは不思議ではないが、国粋主義的な者もかなりいる自民党が“神がかる”のはやはり公明党・創価学会と“合体”したからであろう。

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