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枝葉末節に惑わされずに、疑惑の本質的な要件事実をまず押さえよう。

17年03月25日

No.1901

今週は、本当にテレビをよく見た。まず、WBC。日本は、最初から「世界一奪還!」と、あまりにも騒ぎ過ぎたような気がする。そもそも、12年前と8年前に世界一になれたのが幸運だったのだ。準決勝まで行けたのだから、まぁ、良しとする。野球の醍醐味を、十分に楽しませてくれた。それが終わると、今度はサッカーだった。ぜひ、来年のワールトカップに出て貰いたいものである。そうすれば、普段は見ないサッカーを見るからだ。

大相撲3月場所も、面白い。これは、いつものことだ。新横綱稀勢の里と関脇高安の快進撃が見られたが、最後になって、大アクシデントが起こってしまった。しかし、大関照の富士が復調してきたのが、頼もしい。どんなに資質に恵まれていようが、怪我には勝てない。安美錦は十両で勝ち越したが、幕下に落ちている豊ノ島は、負け越してしまった。力士は一番一番(いちばんいちばん)が真剣勝負だ。国会議員は、見習った方が良い。

3月23日に行われた籠池証人喚問は、大きな衝撃を与えた。私は2週間前から、今回の疑惑を“大疑獄事件”と表現したが、その予感は間違っていなかったようである。安倍首相と自公両党は、これを何とか小さな騒動として収めたいようだが、完全に事態を見誤っている。その認識不足から、打つ手打つ手が誤っており、それが事態を大きくしている。今日は、その理由を述べよう。

ポツダム宣言第6項には、「日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する」 とある。安倍首相の妻である安倍昭恵夫人が名誉校長を務めていた瑞穂の国記念小学院(設立予定)の建学の精神は、“永久に除去する”とされた勢力と、深く関わっていたのだ。もちろん、安倍首相自身もこれを諒とし、これを支援していたのである。

日本国の首相として、このような学校設立に精神的な支援すること自体も問題なのであるが、妻の名誉校長就任を諒として認めるなどして、経済的支援を与えるなど、政治的に絶対に許されないことなのである。もしそうだとしたら、安倍首相自身が言ったように、「総理大臣も国会議員も辞めなければならない」ほど重大な事である。このことを押さえておかないと、本質を見誤る。

安倍昭恵夫人は、3回も森友学園の塚本幼稚園を訪れ、設立予定の瑞穂の国記念小学院の名誉校長に就任を引き受けた。このことは、この小学校の各種の広報物に明示されている。それが瑞穂の国記念小学院の設立に大きな便宜を与えるのは、明らかであろう。これが、問題の国有地の払い下げや小学校認可に大きな影響力を与えたのも、明らかであろう。

私に言わせれば、「100万円の寄付をしたかどうか」とか「政治家の口利きがあったかどうか」など、全体的な構図から見たら、枝葉末節なのである。「妻である安倍昭恵夫人が、瑞穂の国記念小学院の名誉校長を務めていること」「安倍首相がそれを認識していたこと」が、この問題の本質的な要件事実なのである。

安倍首相自身も安倍昭恵夫人も、この要件事実を理解していないのである。自民党や公明党もまた、これを理解していない。マスコミも、そこに登場してコメントする人も、また同じ。教育勅語は、神権的天皇を頂点とするファシズム体制のバックボーンだった。ポツダム宣言が“永久に除去する”としたのは、神権的天皇を頂点とするファシズム体制=軍国主義なのである。

田中角栄首相が関与したとされるロッキード事件は、5億円の現金が田中首相に渡ったかどうかが問題とされた。今回の事件は、怪しげな小学校の設立のために、国民の財産である国有地が8億円も安く払い下げられたのではないか、という疑惑があるのだ。誰が決断したのかどうかは、分からない。ある種の雰囲気が醸し出され、何となくそうなったのかも知れない。その場合、安倍首相の妻である安倍昭恵夫人が名誉校長に就任しているという事実が、決定的に作用したと考えても、少しもおかしくない。だから、私は、“事件”ではなく、“疑獄”と言うのだ。

この件では、数人の政治家が登場する。最初に登場したのは、鴻池参議院議員。バリバリの右翼反動の政治家だ。安保法制の審議の際に、彼はその本性を明らかにしたではないか。籠池証人は、「いちばん裏切られた政治家は、松井一郎大阪府知事」と言った。松井一郎氏が代表を務める日本維新の会と安倍首相および官邸は、ずぶずぶの関係だ

安倍首相と官邸は、この疑惑が早く収まってくれないかと痛切に思っているであろう。だが、そうはならない。打つ手打つ手が、全部間違っているからだ。籠池氏を証人喚問したり、安倍昭恵夫人のメールやとんでもないFAXを公表したりした。これらは皆、私が指摘している本件の要件事実の補強証拠になっている。私に言わせれば、“バッカじゃなかろうか”と思われる。今後の展開を注視していこう。

今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。

  • 17年03月25日 11時22分PM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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