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口約は、公約 !?

13年10月13日

No.1612

アメリカにおける政府と議会の対立で、世界中の市場の動きが不安定な1週間であった。不安定であることは確かだが、アメリカの債務不履行(デフォルト)が現実になるとは、世界中の投資家は思っていないようだ。もし、現実化すると少しでも考えているならば、すでに世界市場では大暴落が始まっているだろう。アメリカの政府も議会も、デフォルトするほど愚かではないと、世界中が思っているのだ。

しかし、オバマ米大統領は、シリア問題と同じように今回も強硬である。オバマ米大統領は、オバマケア(国民医療保険制度)について妥協をするつもりがないのであろう。オバマケアは、民主党というよりも、オバマ米大統領の最大の公約だからである。共和党は、当初からオバマケアに反対だった。この件で共和党と妥協したら、オバマ米大統領は彼を支持した国民の期待を裏切ることになる。だから、オバマ米大統領は強硬なのであろう。

アメリカの政府と議会の対立は、オバマ米大統領と共和党の対立なのである。その根幹は、医療制度に関する公約をめぐる対立なである。このことは、大統領選挙においても、大きな争点となった。大統領選挙で国民の信任を受けた公約だからこそ、オバマ米大統領は変な妥協をするつもりがないのであろう。それにしても、世界中が振り回されているが、そんなことは眼中にないようである。ボクシングの、世界ヘビー級タイトルマッチの迫力がある。

このように、世界の政治では、選挙の際の“公約”が意味をもっている。それに対し、わが国では公約など糞の価値もなくなってしまったようだ。少なくとも、これまでの政治では、公約というものはそれなりの存在感をもっていた。それは、非常に重要なことである。自由主義経済は、単純にいえば「契約をお互いに尊重する」のが原点である。口約束でも契約は成立する。“口約”でも、立派な公約なのだ。

民主党が壊滅的敗北を喫したのも、この単純な大原則を破ったからである。その元凶は、菅首相と野田首相であった。と、いうことは、多くの国民は公約というものの重さを信じているということになる。そして、それは極めて真っ当なことである。公約というものの重さがなくなれば、民主政治は原理的に崩壊する。民主政治がメルトダウンするということだ。原発のメルトダウンも困るが、民主政治・自由主義政治のメルトダウンはもっと困る。

公約が口約となり、政治家の言葉など糞の価値もなくなった。そんな風潮の中で、安倍首相も自民党も滅茶苦茶なことをやっている。消費税の増税もそうだし、汚染水の処理もそうだ。汚染水そのもののコントロール(要するに水漏れの防止)もできないのに、汚染水の放射能処理がどうしてできるのだ、と世界中の人々は笑っているだろう。TPP問題でも、安倍首相は、先の総選挙の自民党の公約に反することをやるようだ。

多くの国民は、公約は守られなければならないと信じている。この大原則が反故にされれば、民主政治など成り立たない。が、もっと重要なのは、自由主義社会そのものが崩壊することだ。自由主義に基づいた国の統治は、200~300年前に人類がようやく到達した、歴史的智恵なのである。国民は、これに思いを馳せなければならない。日本国民は、自由主義に対して素朴な信頼感をもっていると、私は信じている。だから、希望を捨てないのだ。

それでは、また。

  • 13年10月13日 12時29分AM 掲載
  • 分類: 1.徒然

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