ヘッダバイパス[j]ump
liberal-shirakawa.net 白川勝彦 Webサイト (HOMEへ)
白川勝彦へメールを送る
永田町徒然草を閲覧しています
自薦論文を閲覧します
白川文庫を閲覧します
フォトエッセイ即写一言を閲覧します
永田町徒然草
自薦論文
白川文庫
フォトエッセイ 即写一言
プロフィル
リンク

 

凡庸な発言と行動

11年06月05日

No.1491

菅内閣不信任案が採決に付される平成23年6月2日未明に書いた永田町徒然草No.1489「友へ(3)」の最後に、私はこう書いた。
この期に及んでも凡庸な行動しかできない者は、政治の非情な流れに呑みこまれるだけである。」

実は、この時点で急に設定されていた長めの民主党代議士会で、「菅首相の辞意表明があり得る」と、私は考えていたのだ。その理由は、「不信任案が可決されたら菅首相は解散総選挙に踏み切る」という民主党幹部の発言が、殊更(ことさら)に流されたからである。この発言は明らかに虚勢だと、私は思った。菅首相にも民主党首脳部にも、この時期に解散総選挙をする度胸などある筈がない。これは、この間の民主党政治を見てきた者としての確信だったのだ。だから、前々から「内閣不信任案が可決されても、想定外の事態(解散総選挙)など起こる筈がない」と私はいってきたのだ。

6月1日という時点で内閣不信任案を提出することそれ自体は、政党としておかしなことでもないし、非難されることでもない。多くのマスコミや評論家たちは「現在の事態を何と考えているのか」と口を酸っぱくして非難していた。しかし、3・11から80日間の菅内閣の諸対策を見てきたら、どうして不信任案の提出がそんなに非常識といえるだろうか。3・11が齎(もたら)した諸々の被害に対して、菅内閣が適切な対策を講じたこなかったことは、明らかである。

マスコミやそこに“出演”する評論家は、3・11に対する菅内閣の諸対策が十分だったと思っているから、「菅内閣が懸命に対処しているのに、それを邪魔することになるから怪(け)しからん」というのだろう。それこそ、被災者の苦悩に想いを馳せているのだろうか。マスコミの3・11に関する報道および報道姿勢も、この際じっくりと検証する必要がある。マスコミ関係者も、本気で反省してもらいたい。

苦悩を迫られたのは、民主党・国民新党の衆議院議員だった。それは、私も良く分かる。しかし、「『「与党の衆議院議員だから、反対するのは当たり前である』という一般論では、今回の不信任案は済まされないぞ」と、私は前から指摘してきたのである。政治家の行動は、“具体的状況において、具体的にどう行動したか”で評価される。政治的に鈍感な多くの民主党衆議院議員も、肌でそう思ったのであろう。だから、迷ったのだ。あのまま事態が推移していたら、不信任案が可決される可能性は十分にあった。

だから、菅首相や民主党首脳部は焦ったのだ。菅首相が辞任を表明したことは、それなりに賢明な行動であった。ただ、その後がいけなかった。その後の菅首相や民主党首脳部の行動・発言は、ブレて迷走している。一事不再議の原則がなく、いま再び内閣不信任案が提出されたら、今度こそ、民主党議員を含めて圧倒的な票差で可決されるであろう。政治家の発言は、それ自体が行動なのだ。

現実には、内閣不信任案が実際に提出されることは、ない。しかし、不信任案の採決の前も、その否決の後もそして現在も、それぞれがどう発言・行動したかが問われている。もちろん私の発言も、その例外ではない。ただ、私は市井の一弁護士に過ぎない。私の発言が気にいらないとしても、私が嘲笑されるだけだ。衆議院議員の場合は、次の選挙に直結する。そして何よりも、衆議院議員としての使命を果たしているかどうかが問われているのだ。凡庸な発言や行動は、時には罪であるのだ。

それでは、また。

  • 11年06月05日 10時35分PM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

白川勝彦OFFICE   白川勝彦へメール送信 ]

Valid XHTML 1.0 TransitionalValid CSS!Level A conformance icon, W3C-WAI Web Content Accessibility Guidelines 1.0

Copyright©K.Shirakawa Office 1999-2016 - Web pages Created by DIGIHOUND L.L.C. All Rights Reserved ©1999-2016
Powered by Nucleus CMS. Page designed by James Koster.Ported to Nucleus by Joel Pan. Re-design and adjusted by DIGIHOUND L.L.C. © 2006-2016