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 FORUM21   2007年4月1日 通巻123号

創価学会党化した自民党 ─ 6

詐術的・謀略的手段を平気で用いる自民党(その2)

白川  勝彦  (元衆議院議員)

詐欺師を見抜く方法

私がまだ20代ころ、司法試験に合格し法曹を目指して検察庁で司法修習をしていたとき、ベテランの検察官からこんなことを言われた。

「詐欺事件を捜査するとき、被疑者が嘘をいって人を騙したことを見抜くのはなかなか難しい。だいいち単純な嘘ならば、人は簡単に騙されないからである。これは嘘だろうといっても被疑者は素直には認めない。

だから、詐欺事件を捜査するときは、まず被疑者にできるだけいいたいことを言わせるのだ。それを丹念に記録しておくと被疑者のいうことに食違いや矛盾が必ず出てくる。それを押さえて被疑者を追及して詐欺を立証していくのだ」

いうならば詐欺師の見分け方である。私は30歳のときから政治の世界で生きてきた。政治の世界を生きていく上でも、選挙を闘う上でも、嘘を見抜く力がないと手痛い打撃や損失をすることが多い。政治の世界には、嘘を平気で使う者が結構いるのだ。厄介なのは、それが政治的な手練手管だと思っている確信犯もいるし、そう考えるからだろうか政治家の嘘について寛容な傾向がない訳ではない。

しかし、民主主義国における政治は、言論で行うひとつの戦いである。戦いだから詐欺も許されるとするならば話は別だが、詐欺罪のように法律で罰せられる訳ではないが現代においては一般社会と同じように詐術を用いることは許されないとされている。少なくともフェアとはみなされないし、尊敬もされない。

創価学会・公明党を激しく非難した自民党

前号では、小泉純一郎前首相・自民党総裁の詐術を論述した。しかし、これは小泉氏の詐術というより自民党の詐術的体質といってよいと私は思う。

現在の内閣を私は“自公合体政権”と呼んでいるが、公明党や公明党の政権参加を自民党や自民党幹部がどういってきたか、ここで改めて振り返ってみる。

「今日の政治、ご覧の通り権力の中枢に、宗教団体と極めて密接な関係をもつ政党がこの中枢に座り、政治上の権力の行使と言われかねないような状況、あるいは国から特権を受けているのではないかと言われかねないような状況が、我々の目の前にあるわけでございます」

これは平成6年6月23日、亀井静香氏が中心になって宗教団体などに働きかけて俗に“四月会”といわれた団体の創立総会において、自民党総裁であった河野洋平氏が行った挨拶である。羽田政権の末期であった。河野氏が“宗教団体と極めて密接な関係をもつ政党”といった政党が公明党であることは明らかである。

「いま、わが国の政治にとって最も憂うべきは、宗教団体・創価学会が新進党という政党の皮をかぶって国民を欺き、政治の権力を握ろうと画策していることである」「これと戦うのが今度の総選挙」である。」

これは平成8年1月18日に開かれた自民党大会において採択された運動方針にハッキリと書かれている文章である。この運動方針に基づいて自民党も各選挙区の自民党候補者も「新進党は、創価学会党である」という大キャンペーンを行った。それは、平成8年10月に行われた総選挙で自民党が新進党に大差をつけて勝利した大きな原因となった。

保守の生き方にも悖る連立

この総選挙において、私は自民党の総務局長というポストにいた。300の小選挙区のすべてを掌握しておかなければならなかった。だから、この選挙において自民党の各候補者がどのような主張をし、どのような団体から支援を受けたかつぶさに知っている。

自民党が自由主義政党として満足な点数をもらえるなどと自惚れてはいなかったが、自民党が保守政党であることを否定する者は党内にいなかった。保守とは、人間関係や恩義を大切にする政治的ビヘイビアだと私は思っている。先に紹介したような主張をし、これを信じる宗教団体等の支援を受けながら、これを反故にするとはよもやあるまいと私は信じていた。

この総選挙を境に自民党は党勢を取り戻した。しかし、平成10年7月の参議院選挙で予期せぬ敗北を喫すると、自民党は公明党との連立を志向するようになった。その先頭に立ったのが小渕恵三首相であった。公明党との連立は、その秋に行われた総裁選挙でも争点になった。その総裁選に立候補した加藤紘一氏も山崎拓氏も公明党との連立には否定的であった。だが自民党は小渕氏を再選した。そして同年10月5日自由党も一緒だったが、自民党は正式に公明党と連立を組んだ。

これは郵政民営化賛成ということで80数名の小泉チルドレンと呼ばれる議員を当選させておきながら、少し日時をおいて郵政民営化反対を標榜して当選した議員を復党させた安倍首相の手法とまったく二重写しではないか。

私は自由主義者であると同時に保守主義者であることに誇りを持っていた。それはまた、自民党の国会議員として長年にわたり洗礼を受けてきた者の義務でもあると思っていた。そのような私にとって、公明党との連立は信じられないと同時に耐え難いことであった。それ故に、私は平成13年2月自民党を離党した。

新手の詐術を使う安倍首相

公明党との連立について詳述したのは、自民党そしてわが国の政権の基本に関することだからである。このような基本的なことですら、自民党のいったことはまったく当てにならないのである。いった舌の根も乾かぬうちに平気でいったことを反故にするのである。

ということは、自民党のいうことなど最初から信じない方がいいことになる。いや、信じる方が馬鹿だといわれても仕方がないのかもしれない。しかし、それではあまりにも情けないではないか。

何よりも危険である。国民の多くは、自民党がこのような詐術を平気で用いる党とは認識していないからである。こんなことを放置していたのでは、国民が被害を受けると同時にわが国の利益が損なわれるからである。自民党は巧妙な詐術を使うが、それを見抜き嘘であることを喧伝することは必要である。気狂に刃物というが、政権党の嘘も危険極まりない。

小泉前首相は、ワンフレーズ政治家といわれた。小泉純一郎という政治家を良く知っている私にいわせれば、小泉氏にはこれといった思想や哲学などなく、寂しいかなワンフレーズで表わせる程度の考えしかないのである。ワンフレーズを何らの体系も脈絡もなく、その都度思い付きで繋いで5年半もの間わが国の政治を行ってきただけなのだ。それにしても、国民はよくもまあ騙されたものだ!

小泉氏の後を継いだ安倍首相は、そのワンフレーズすらいわないというのだ。靖国参拝問題についての安倍氏の答弁である。村山談話や河野談話を引き継ぐといいながら、これを平気で否定するようなことを平気でいう。言っていること自体が、矛盾しているのである。松岡農林水産大臣の光熱水費問題に関する答弁など、いっている意味が日本語としても理解できない。これは自民党の新手の手法なのかもしれない。安倍首相のこうした言動をみていると、もう言葉は何の意味もないように思われるのである。民主政治は言論をもって行うものだが、自民党はそのこと自体を否定しようとしているのかも知れない。言論による闘いを放棄した者は、それでは一体何を武器にして闘いを行おうとしているのか。そのときに使われるのが、謀略である。

謀略としての国策捜査の懼れ

その傾向を窺わせる兆候は、小泉内閣のときから既にあった。加藤紘一元幹事長の秘書の脱税問題である。加藤氏は責任をとって議員辞職した。橋本派の歯科医師政治連盟からの闇献金捜査起訴である。橋本派はズタズタにされて党内の地位を大きく落とした。鈴木宗男氏の逮捕起訴である。小泉氏に対抗する政治勢力がこれらを機に凋落していったことだけは確かである。

自民党の前身となった党に、“院外団”と呼ばれる一種独特の組織があったという。詳しくは知らないが、右翼や壮士団的な存在で、謀略的なことも行ったという。現在の自民党にこの団体が担ってきた役割を実行する部隊は、私が知る限り公然と存在しないことだけは確かである。

自民党は政権党である。内閣は警察・検察・公安調査局や国税当局や公正取引委員会に大きな権限や影響力をもっている。そうした機関内部に、内閣や自民党に迎合しようという輩がいることは否定できない。内閣や自民党がそうした勢力と意を通じれば、党内の政敵や反対党を正義の名において追い落とすことができる。誰が初めて使ったのか知らないが、“国策捜査”などということが人口に膾炙されるようになった。少なくとも小泉内閣の前にはなかった言葉であった。その虞なしとしない。要注意である。

税金を使っての世論操縦

小泉内閣のタウンミーティングや最高裁判所の裁判員制度の広報で、広告会社による予算を使ったヤラセがあった。タウンミーティングなどは、一見民主的に受取られる手法である。そこに広告会社という世論形成のプロが税金を使って細工をする。少なくともかつての自民党が使わなかった手法である。悪質な世論操縦は、民主社会においては謀略である。

私は自治大臣のとき、地方分権や地方自治体の行政改革を推進するために、それまで自治省としてはやったことがなかった地方におけるセミナーを積極的に行った。各ブロック毎に行った。自治省の官僚は自信がなかったようであるが、私には成功させる自信があった。実際にやってみるとおおぜいの参加者がいた。

仮にそのように盛況にならなかったとしても、私はセミナーをやるつもりだった。少なくとも税金を使って盛況を装おうなどという発想もなかったし、その必要性も感じなかった。

体裁をことさらに装おうというのは、詐欺師が使う手法である。体裁を装うためにお金がかかるとしても、詐欺師にとってはそれは“必要経費”なのかもしれない。だが政権を維持したり選挙で票を得るための体裁を装うのに税金を使うことは、卑劣であるばかりでなく背任的な行為である。

創価学会や公明党は、膨大な出版物や広報を使ってマイナスイメージを払拭しようと長年努力してきた。懸命な世論操縦であろう。自民党は、これを見習っているのだろうか。しかし、税金を使ってそれを行うことは、創価学会や公明党の世論操縦よりもはるかに悪質である。どうしてもやりたいのであれば、身銭を切ってやれといいたい。

詐術と謀略は、表裏一体

詐術的・謀略的手段を平気で用いる自民党の手法を論証することが本稿の目的であった。詐術は、外部に表白される言語があるから立証することは容易である。 マスコミの使命というのは、国民を権力者の詐術から守ることにあるといっても過言でないであろう。少なくとも先進国では、マスコミはその役割を果たしてきた。わが国でも、マスコミはそれなりの役割を果たしてきたと思うが、最近のマスコミはわが国のこの伝統に照らしても少しおかしい。国民は、マスコミにも注意を向け、監視しなければならない。

創価学会・公明党が、その機関紙の印刷や広告費をエサにマスコミを懐柔してきたことは広く知られている。現在公明党は、政権党である。マスコミは、かつてと同じような気持ちでこの懐柔を受け容れる危険性を自覚しなければならない。権力は、批判されなければならないのである。批判に晒されない権力は、腐敗し危険なものとなるからである。

しかし、謀略的手法を論証することは、その性質上きわめて難しい。他国の例をみれば、内部告発か優れたジャーナリズムに頼るしかない。そのいずれもわが国において期待することは、現状では難しい。だが一般論として、詐術を平気で用いる者は、謀略も平気で行うと考えてもいいだろう。

かつての自民党にはどこか大らかさがあった。嘘にも愛嬌があった。しかし、現在の自民党が用いる詐術を甘く見てはならない。彼らは確信犯として詐術を用いているのである。この数年の詐術で得た甘い汁の味を知ってしまったのである。今後も詐術をどんどん用いるであろう。そしてそれは謀略的手法を合わせて用いる可能性が大きいことを指摘しておく。どちらも目的のために手段を選ばないという点においては同じだからである。

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