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あとは野となれ山となれ政治を排す

 白川さんも自民党だから、あまり小渕さんの批判をしたら白川さんも困るのかもしれないが、小渕さんという人は、自民党の親玉であるよりも何よりも経世会の番頭です。経世会というのは、田中角栄さんが越山会をつくった。ところがそれを竹下、金丸がひっくり返して経世会をつくった。その流れが小渕さんに来ているわけです。ここはなにも角さんの地元だから言うわけではないのだけれども、田中角栄という人にはそれなりにA志Sがありました。私は家内の里が新潟でありますから、だから言うわけではないが、田中角栄という人はそれなりに長い日本の将来というものを見ていたと思います。
 だから新幹線もつくった。日本列島改造論ということも唱えた。道路もつくった。あの当時の日本には道路がなかったのです。角さんがやったことで、いろいろな論壇の人が「たった二〇人しかいない山に、二〇億かけて道路を通す。けしからん」と言いました。角さんは言いました。
 「だってその山にいる二〇人だって国民健康保険の保険料を取っているんだ。その人が、頚城で、あるいは魚沼で雪が降って救急車も行かない。病気になっても病院にも行けない。そういう人でも国民健康保険料を取っている以上は病気になったら入院してもらわなければならない」
 入院するためにはヘリコプターを飛ばせばいいではないか。道をつけなくてもいいではないか。しかし吹雪の最中にどうしてヘリコプターが飛ぶのだ。道がなければならない。国民健康保険料を取っている限りにおいて、取られている限りにおいて、加入者は病院にかかる権利がある。国は患者を病院で治療する義務がある。そのためには、たった一人のために何十億かかろうとも、道をつくらなければしょうがないではないか。他に方法があるか。これは私は当たり前の話だと思います。
 それはけしからんといろいろな人が言いました。それは雪の降らないところに住んでいる人の話であります。私は母親の里が富山で、家内の里が新潟でありますから、雪国というものはそれなりに知っている。だからあの当時、角さんがそう言ったときに、当たり前だといった。このことに関しては田中角栄を私は支持する、と言った。
 今の小渕さん、違うでしょう。そうではないでしょう。小渕さんは、ついこの間、オレは世界一の借金王だ、といったのです。小渕が借金王なのですか。小渕が借金王だと言うのだったら、小渕に返してもらおうではないか。六〇〇兆。そうではないのでしょう。日本国民が借金王にされたのでしょう。誰がしたのだ。小渕がしたのではありませんか。そうでしょう。
 なんてことはない。自分が政権を維持するために、金丸さん、竹下さん直伝の利権転がし政治をやるために、国の借金がいくら増えてもかまわないというのでしょう。景気対策、景気対策、景気対策。本当にあれが必要なものであり、意味があるものだったら、とっくの昔に景気がよくなってなければならない。ちっともよくならないのでしょう。ちっともよくならないのになぜ景気対策ばかりをやるのだ。言いたくはないけれども、ひょっとするとそのなかで、うまいことがあるからやっているのではないかと考えざるをえない。

福祉のばらまきでよいのか

 公明党もそうです。福祉ばらまき。一番はっきりしているのは、今度の児童手当ての問題です。このなかにはいろいろな立場の方がいらっしゃるでしょう。だけど公明党が言ったのは、三人目以降の子供は特に手厚くして、一六まで毎月最高五万円の年金が出るようにしろ。その代わり、扶養家族手当ては全部なくせというのです。一六すぎれば、一七、一八、一九、二〇、二一、二二、浪人しないでも六年ある。一浪は人並み、二年浪人してもしょうがないと思えば、八年ある。その間の扶養手当ては全部カットしてしまって、若い人たちの子供の年金に回すというのです。
 サラリーマンは大増税になります、そんなことをやられたら。大学生と高校生の二人の子供をもつサラリーマンがいると仮定します。そうすると奥さんで扶養家族三五万でしょう。子供で、高校、大学へ行ったら四五万でしょう。二人で九〇万でしょう。奥さん入れて、専業主婦控除も入れれば一六〇万でしょう。いま、この一六〇万は収入から消えて、税金は一銭もかかっていないのだが、どーんとその分収入が増えて税金がかかってくるのです。
 そして一六歳までの子供がいる家庭にだけお金が配られるのです。それでいいですか。よさそうに思うでしょう。そうは言うけれども一歳の子供だって、一五年経ったら一六になる。一六年経ったら一七になる。いつまでもよくはない。違いますか。
 いつまでも子供が一五歳のままで止まっていてくれれば、それはいいけれども、そうはいかない。一五になった子は来年一六になる。再来年一七になったら、どかんと税金がかかってくる。これは目先だけよければいいちょろまかしです。ペテンです。
 あの地域振興券というでたらめ商品券。このなかにももらった人がいるかもしれない。いるかもしれないが、いいですか。あの財源は全部赤字国債です。あれは七〇〇〇億円かかりました。全部赤字国債ということは、一〇年経ったら六分の一、一一六六億返すのです。毎年利息を払った上に、二〇年経ったらまた六分の一返すのです。三〇年経ったら六分の一。四〇年経ったら六分の一。六〇年かかって全部返すのです。
 あの地域振興券、商品券をもらって、一〇歳の子供があれで親からおもちゃを買ってもらったとする。そのおもちゃの代金を全部払い終わるのは、一〇の子供が七〇になったときの話です。そのときには、小渕さんも神崎さんも浜四津さんもみんな墓の下だ。
 いったい何が福祉ですか。ツケを後に回しただけではありませんか。それがたまりたまって六〇〇兆になっている。ですから私はこの演壇の脇に書いてもらった。
 「『あとは野となれ山となれ政治』を排す」。あとは野となれ山となれ。いまさえよければいい。はっきり申しますが、いまさえよければいいという宗教などあるのですか。宗教というのは、死んだ後のことを考えるものではありませんか。
 魂の平安、キリスト教はそういう。仏教というのは、これはいろいろな解釈があって、ただ基本的には、仏教というのは魂というのはないことになっているのです。なにかわからないところから人間というものがくる。死んでのちも、なにかわからないところに行く。その無というか、広大無辺というか、わからないものを、人間の形になぞらえて、阿弥陀様という。南無阿弥陀仏というのは、そこから出てくる。もちろん南無妙法蓮華経の方にはまた別の理解があるわけであります。それはそれぞれの哲学の問題であります。
 でも魂、精神。人間はいかに生き、いかに死ぬか。死ぬことを考えるのが宗教でしょう。なんといっても人間はそのうちに死ぬのだから。私だって年内には七〇になる。数え年はもう去年から七〇です。どうせ先はもう長くはないと思うけれども、私の親はまだ生きていまして数え年の一〇〇です。「親の長生き、子のためいき」と言ってるのだけれども。本当にため息も出る。本音を言えばね。
 『どこまで続くヌカルミぞ・・老老介護奮戦記』という本を文春新書で出しました。六百何十円で安いから、奇特な方は町の本屋で買って読んでください。そういうと親孝行の宗教団体からまたずいぶん怒られるのだけれども、でも介護の問題・福祉の問題、これは難しい問題です。自分の責任でこれからは生きていくべきだ。それはそうです。私もそう思っています。
 だけど親が一〇〇になった責任は俺にあるとされても困る。一生懸命養って、一生懸命仕送りをして、一生懸命うまいものを食わせたから一〇〇まで生きたのです。その責任はお前がとって一二〇まで生かせと言われたって、俺も困る。そのとき九〇になってしまうんですから。そうでしょう。
 では一体どうすればいいんだ。自分だけがよければいいという考え方ではなくて、出すべき税金は出し、出すべき介護保険料は出し、出すべき力は出しながら、お互いに支え合って、そのなかにはいろいろな宗教の人もいる。ひょっとしたら無神論の人もいるかもしれないけれども、お互い同じ国民ではないか。
 そこのところでやるべきことをやっていくのが政治なのに、小渕さんはなんですか。景気対策、日本一の借金王。では六〇〇兆、くやしかったら自分で返してみろというのだ。返せないのでしょう。知らん顔をしているのでしょう。どうせ彼だって、あと三〇〜四〇年したら死ぬに決まっている。返さないうちに。返すのは日本の国民です。世界一の借金王なんて気安く言ってもらいたくない。小渕さんのおかげで日本人は世界一の借金国家にされた。どうしてこれから返していきますか。

日本の政治が歪んでいく

 その六〇〇兆のわずか一〇〇〇分の一ほどだけど七〇〇〇億円は、ばかばかしい地域振興券という、あのばらまきのために消えました。七〇〇〇億円の国会対策費というか、法律を創価学会・公明党に通してもらうために、そうでないと参議院を通らないから七〇〇〇億円を出した。通行手形みたいなものです。駅の入場券みたいなものだ。いま、入場券はいくらだ。一三〇円ですか。七〇〇〇億は高いでしょう、いくらなんでも。六〇年かかって返すんです。そういうのが積もり積もってくる。これは宿業みたいなものです。目先のことだけ。いまさえよければいいと考えて宿業を増やす。これほど宗教と違う考え方はないのではないでしょうか。
 こういう、その日ぐらし、日々の現世利益だけにすがる考え方は、実は、もう創価学会の人たちにだって、少ないと思います。例えば児童手当一つ考えても、創価学会の若い人たちは、創価学会の言うこと、公明党の言うことを、いいと思っていないと思います。だって創価学会だって、もうみんな若い人たちは立派になって、サラリーマンがいっぱいいるのです。検事さんも弁護士もお医者さんもいるのです。そういう人たちはやはり子供をそれなりに、専門職にするべく教育をするということになれば、一七、一八、一九、二〇、二一、二二と一番金がかかるときに扶養控除をなくしてしまって、一六歳まで小遣いをやるっていわれても困る。
 だけど池田大作さんを含めて、古い創価学会のリーダーたちは、まだ昔ながらの、うちの会員は貧乏で、うちの会員はどうせ大学なんか行かなくて、うちの会員は子だくさんで、お金をばらまけば喜んでと思い込んでいるのです。中学出て一六になればどうせ働くのだから、そこまでは税金バラまいて助ければみんな喜ぶと思っているのです。幹部が考える会員像と、会員自体の生活が食い違ってしまっている。しかし「王様、それは違いますよ」と池田さんには言えないのですね。言ったら「この野郎」と切られるから。竹入さんみたいに「生まれたときから手が長い」にされてしまうから。それが独裁の恐ろしさなのです。
 だから政策が歪んでいく。それが政権与党であれば、日本の政治が歪んでいく。ツケは全部国民が背負うことになる。それが私はいけないというのです。土建利権のために、借金をしてでもいいからいらないところにでも道をつくろう。その竹下・金丸、小沢・小渕、この流れもそこがいけないのです。
 創価学会員にだって立派な人たちがいっぱいいる。決してみんなが貧乏な暮らしをしているわけではない。ところが「貧乏人だ、うちの会員は」そう思い込んで、むしろ会員をなめきって、金をやれば喜ぶんだろうと思うリーダーが金だけばらまいている。その結果が山のような借金。借金は誰が払うか。これから先、生きていて、収入がある人が払うのです。いま、児童手当を出すことが大事か。本当に子供のことを考えたら、子供が生きている時代に借金を背負わせないようにすることのほうがよほどが大事です。
 もう少し消費税が上がっても私は仕方ないと思います。三%から五%になって皆さん怒るけれども、スウェーデンは二五%です。デンマークは二二%です。フランスは一九・六%です。イギリスは一七%です。ヨーロッパの国はどこだって一五%以上の消費税を取らなかったら、EUの通貨同盟に入れてもらえないのです。
 世界で消費税五%の国というのは日本を入れてたった四つしかない。コスタリカとパナマと台湾と日本。だけど他の国は、台湾も地震もありまして大変でしたが、財政はそんな赤字ではありません。日本は借金六〇〇兆です。それで、これから先いったいどうなのか。こんないまの小渕さんみたいな政治を続けていたら、インフレで帳消しにするしかなくなるのです。
 だって六〇〇兆、いま金利が安いからいいけれども、金利が仮に三%にすれば六〇〇兆の利息だけで一八兆。四%とすれば二四兆でしょう。国に入ってくる税金は全部で五〇兆円あるかなしなのです。過去の借金の利払いだけで二〇兆だ、二四兆だ、五%なら三〇兆だと出ていったら、どうやって福祉をやって、どうやって教育をやって、どうやって役人の給料を払うのですか。できるわけがない。
 そうなってくれば、借金の利息を払うためにお札を刷って、また借金をすることになる。どんどんお札が増えていって、物価が高くなっていって、貯金は、紙くずになっていきます。我々が老後のことを考えて積んだ年金も紙くずになっていきます。そうでなかったら、紙くずにならなかったら若い人たちは借金を返せません。貯金が紙くずになったらどうなるのか。我々が、戦後五〇何年、汗水たらして働いてきたのは、何のためだったかということになります。
 ですからどっちへ転んでも、こういう無責任な、あとは野となれ山となれの小渕さん・・経世会と、あとは野となれ山となれの創価学会・・池田大作さんの握手をした政権というものは、私は続いてはならないと思う。ならないと思うが、いま自民党のなかでそういうことを言っている人は非常に少ないのです。だって小渕さんが総理大臣で権力を持っているのだから。逆らったら大臣にもなれないのだから。

ある種の恐怖政治

 私はそういうような状況のなかで、特にはっきり申し上げる。今日このなかで一二〇〇人ほどの方がお集まりだけれども、このなかにも創価学会がもぐり込ませたスパイが五人や一〇人いると思っている。まあいたっていいのです。演説会ですから。だけどむこうさんが何とか会館でおやりになるところへ我々は入っていけない。こっちは自由で民主的ですから、どうぞどうぞ、いらっしゃい。俵のいうこともお耳障りでしょうが、聴いて帰ってください。その辺にテープレコーダーを忍ばせて一人や二人、三人や五人はいる、このなかにいたっていいのです。
 いたっていいが、彼らはそんなことは批判者にはさせないのでしょう。これが民主主義ですか。それが言論の自由ですか。それが公平ですか。それが公正ですか。ある種の恐怖政治みたいなものがあります。私はもう年を取りました、一生分働きましたから平気ですが、商工会などが私の講演会などを企画するとすぐ「俵に講演させるな」「あんなやつを降ろせ」、みたいなことを言ってきます。
 私には脅迫電話がしょっちゅうかかりますし、警察の警護対象で、ときどき警らのおまわりさんが回ってきてポストのなかに、異常はありませんでした、なんて青い紙が入っています。だいたい異常があったときには手遅れというのが警察のやることで、警察の元締をやった白川大臣の前で言っては申し訳ないけれども、どうも最近の警察というのは後手を踏むことが多くて困るけれど、私はそういう警備の対象になっているくらい、圧迫にさらされながらものを言っているわけであります。
 白川さんはもっと大変です。私はどうってことない、この年なんだから。仕事があまりたくさん来すぎて売れっ子になっても、今度は体がもちません。ここらがいいところです。しかし選挙は、票がなかったらどうにもならない。サルは木から落ちてもサルだけれども、代議士は落ちてしまったら代議士ではないのだから、上がらなければならない。上がるためには、しかもこういうきちんとした正しいことを言って選挙に勝つためには、これはもう皆様方お一人お一人の力に頼るしかないのです。
 はっきり申し上げますが、世の中には立派な創価学会の人もいます。真面目な創価学会の人もいます。真面目ではないのも上の方にはおりますが、下の方は大部分みんな真面目なんです。でもこの人たちは、日本中で七〇〇万人くらいしかいないのです。選挙で一番たくさん取ったときが、全国で七五五万票です。
 日本の有権者は一億人いるのです。創価学会は嫌よという人は九三〇〇万人もいるのです。好きよという人は最大七七五万人。みんな棄権しないで行けば、絶対に白川さんが負けるはずはないのです。
 でも、むこうは雨が降っても槍が降っても、戸板に乗ってでも行きます。大作さんのばちが当たるのが怖い人と、マルクス、レーニンのばちが当たるのが怖い人は行きます。こっちは自由な人間ですから、今日は天気が悪いから行かない。今日は相撲の取り組みがいいから行かない。行かない理屈はいくらでもつく。そこをなんとかして行っていただく。なんとかしてお知り合いにも呼びかけていただく。
 今日、お越しいただいたなかには、もう長い間、白川さんを苦労しながら支えてこられた方もいっぱいいらっしゃると思います。

言うべきことを言った政治家‥斉藤隆夫

 時間がそろそろなくなってまいりました。私は新聞記者になった。なぜなったか。昭和二八年に大学を出て新聞記者になりましたから、考えてみれば私は新制東京大学の一期生、白川さんは確か一七期生。一六年こっちの方が先輩なのでありますが、私は祖父が政治家でありまして、翼賛選挙で落ちました。ですから子供のころから政治というものを見てきました。なんで日本が馬鹿な戦争になったのか。なんで馬鹿な戦争をやって負けて焼け野原になって、それなりに明治維新以来一生懸命やってきたものがパアになったのか。政治家がだらしなかったからだが、何よりも、新聞がだらしなかったからだ。では言うべきことをきちんと言う新聞記者になろうではないか。政治家になりたい人はいっぱいいますから、そう思って新聞記者になってずっとやってまいった。
 ただ、戦争中にだって言うべきことを言った政治家はいるのです。例えば斎藤隆夫という人がいます。戦後まで生きていて、大臣をやりました。昭和一二年の二・二六事件のあとの陸軍を批判した議会での粛軍演説で有名ですが、昭和一五年にも、支那事変が始まって三年経っています、紀元は二六〇〇年と日本中が浮かれているころです、議会で演説をしました。
 「満州が帝国の生命線だと言ったではないか。では満州で満足すればいいのに、北支だと言ったではないか。上海だと言ったではないか。支那事変が起きて、南京を占領したらこれで勝ちだと言ったではないか。南京をとったら、今度は武漢三鎮だと言うではないか。武漢をとったら、今度は重慶だと言うではないか。そんなことを言い出したらきりがないではないか。いったいどうするつもりだ」ということを、議会で質問をして、除名になりました。
 いままさにそうだと思うのです。公共事業が大事だ。みんな税金を払いたくない。消費税は上げたくない。生産者米価は高くしろ。消費者米価は安くしろ。これは満州みたいなものです。いままでの既得権です。それにもっとプラスして、あれをよこせ、これをよこせ。そうやっていけば、最後に借金の山がたまって首が回らなくなることはわかりきっているのに、止めることができない。
 似たようなものなのでありますが、斎藤隆夫という人は、まさにあの戦争をどこかで止めなければ駄目なんだということを昭和一五年に言った。もし昭和一五年に斎藤さんが言ったとおりに、戦争をあそこでやめていれば、もちろん原爆は落ちなかったしアメリカとの戦争もなかった。日本がいったんあそこまでつぶれることもなかった。その代わり軍閥がふんぞり返っていましたから、負けた方がよかったという理屈もないわけではないんですけれども。
 その斎藤隆夫という人は、正しいことを言って、そのために議会を除名になります。除名になったけれどもその次の選挙に、翼賛選挙です、憲兵が一人一人取り締まって歩くような選挙です、その選挙に有権者の支持で最高点で当選をしてくるわけであります。
 斎藤さんが除名になったときに、斎藤さんという人は民政党という政党の議員でありました。斎藤さんに、除名になるのは気の毒だから「君、ちょっと除名になる前に、自分で自発的に辞めたらどうか。その代わり、補欠選挙とかなんとかで、君を当選させるようにするよ」と、民政党の幹部が斎藤さんの説得をしたけれども、斎藤さんはそれを蹴飛ばして除名の道を選んだ。
 説得に行ったやつは誰かというと、残念ながら私の祖父の俵孫一とあともう一人は小泉又次郎という人で、これはどういう人かというと小泉純一郎のおじいさんなんですけれど。
 その斎藤隆夫さんという人が、除名になったときに、こういう漢詩を残したのであります。昔、漢文を習った方は簡単に読めると思いますが、   

草書体漢詩

我言即是万人声(我が言は、即ちこれ万人の声)
褒誉委世評(褒誉は、世評に委ぬ)
請看百年青史上(請う看よ百年青史の上)
正邪曲直自分明(正邪曲直、自ずから分明)

(注)俺の言っていることは、みんなが言っていることだ。
誉めたりけなしたりは、世間に任せる。
一〇〇年経って、歴史の上で見てくれ。
何が正しくて、何が間違っていたか。
何が曲がって、何がまっすぐだったか。自然とわかるだろう。

 戦争に反対して議会を除名になった斎藤隆夫という人は、こういう漢詩を残したわけであります。残して死んでしまったのならこれはしょうがないのですが、残した斎藤さんが昭和一五年に除名になる。しかし次の選挙で最高点で返り咲いた。但馬、日本海側に面した兵庫県の出石という町でありますが、そこの選挙区の有権者は憲兵に脅かされても軍に脅かされても、新聞に悪口を書かれても、斎藤さんを最高点で当選をさせたわけであります。
 まさにこの褒貶毀誉を世評に委ぬと。一〇〇年経たないうちに「乞う見よ百年青史の上」などと言わないうちに、たった二年で有権者の判断で斎藤さんは復活をするわけであります。そして戦後内閣の大臣をやる。
 選挙というものは、私はそういうものだと思うのです。橋をつけます。児童手当を配ります。税金は出さないでよろしい。ほしいものは何でもあげます。しかし人間には誇りというものがある。出すのは舌を出すのもいやだけれども、貰うものなら猫の死骸でももらうぞという人には、誇りがない。
 小渕さんや池田大作さんや、いまの自民党執行部や公明党は、あまりにも国民をばかにしているのではありませんか。カネさえちらつかせれば、カネの音さえカラカラっとさせれば、国民はくらっとなると思っているのではありませんか。
 そうではない。日本国のために何が大事か。民主主義のために何が大事か。政治と宗教のけじめをつけるために何が大事か。あるいはこの赤字国債が六〇〇兆もたまってしまった。借金を返さなければならない。いまたまたま金利が安いから国債の利払いも少ない。でも金利がまともにならなければ我々は困るのです。長年働いて貯金した人間が困る。年金だって困るのです。
 でも金利がまともになったら、その利払いだけでもう国家財政は押し潰されるのです。そんなおかしな状態にしたのは誰だ。小渕が世界一の借金王だ。とんでもない。世界一の借金王になったのは我々日本人だ。我々日本人は小渕のおかげで世界一の借金王にさせられたのだ。違いますか。
 それをなおすためには、白川さん、はっきり言って自民党の憎まれ者です、自民党の憎まれ者だが「褒貶毀誉、世評に委ぬ」。誉めるか貶めるか。ぶったたくか名誉を与えるか。これは世間が決めることだ。そして「乞う見よ百年青史の上。正邪曲直自ずから分明」。やはり次の選挙で、皆様方が白川さんを当選させることによって、正邪曲直自ずから明らかになる。そのことが日本国の政治において何が正しく何が間違っているかが自ずから明らかになることであろうと、こう私は信じて疑わないのであります。
 白川さんの友人、同志として、このことを皆さんにお願いをしていったんここで締めくくらせていただきまして、引き続き白川さんのお話を皆様方にご聴取いただきたいと思います。ありがとうございました。

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