ヘッダバイパス[j]ump
liberal-shirakawa.net 白川勝彦 Webサイト (HOMEへ)
白川勝彦へメールを送る
永田町徒然草を閲覧しています
自薦論文を閲覧します
白川文庫を閲覧します
フォトエッセイ即写一言を閲覧します
永田町徒然草
自薦論文
白川文庫
フォトエッセイ 即写一言
プロフィル
リンク

 

“道路特定財源ネコババ論”!?

08年04月19日

No.777

丸2日間にわたり、東京では雨と風が強かった。その上、風が冷たかった。昨日裁判があったので、雨の中出かけた。強風の煽られ、傘が逆に開いてしまった。自公“合体”政権は、4月30日に租税特別措置法改正案の再可決を明言し始めた。そんな中で、与野党6党による道路特定財源見直しに関する協議会の協議が始まった

修正不調なら30日再議決
──道路見直しで与野党初会合

与野党6党による道路特定財源見直しに関する協議会の初会合が18日、国会内で開かれ、一般財源化をテーマに23日から協議を本格化させることで一致した。

ただ期限切れで4月から失効した揮発油税の暫定税率の扱いをめぐる主張の隔たりは大きく、協議難航は必至。与党は暫定税率維持を盛り込んだ税制改正法案に関する参院での修正協議が進まない場合は30日に衆院で再議決する方針だ。与党が再議決に踏み切った場合は協議会は中断になるとの見方が出ている。

これに対し与党側は「再議決を前提とはしていない。参院で(の修正協議で)早く結論を出してほしい」と反論、平行線をたどった。(共同)

TOKYO WEBに掲載されていた共同通信社の配信記事である。この記事に文句を付けるつもりで引用したのではない。問題にしたかったのは、この協議会に同意した野党の態度である。この協議会で“野党側は初会合で、与党は税制改正法案と道路整備費財源特例法改正案の衆院再議決を前提に協議に臨んでいると批判、「それでは議論ができない。再議決をしないと明確にしてほしい」と主張した”とあるが、これは協議会を開いてから主張すべきことではなくて、協議会の設置に応じるかどうかを決める時に主張すべきことである。交渉における初歩的なことである

野党の政治家の頭の中にも“6兆円の宝の山”がチラチラと去来しているのではないか。もしそうだとしたら、野党の基本が問われる問題である。税をどう使うかという問題は大切である。しかし、それ以上に大切なのは、国民から税をどう頂くかという問題である。ネズミ小僧が盗んだ金を困った人々にばら撒いたからといって、義賊と呼ばれることがあっても正しいことをしたという人はいない。

私は自公“合体”政権の詭弁や過ちを厳しく追及してきたが、そうでない人々の発言や行動を批判することはほとんどしなかったつもりである。もちろん、中立を装いながら自公“合体”体制の協力者の役割を果たそうとする者には、容赦はしなかった。エピゴーネンと呼ばれるこういう人たちが果たす思想上の役割は悪質だからである。いま私たちがマスコミで目にする学者や評論家やコメンテーターは、エピゴーネンが多い。(注:エピゴーネン【Epigonen ドイツ】思想上の追随者・模倣者を軽蔑していう語 <広辞苑> Wikipedia参照)

昨年秋の“大連立”以降の森田実氏の発言に、私はちょっと賛成できないところもあった。しかし、私はあえて批判はしなかった。森田氏は、少なくともエピゴーネンではない。自公“合体”体制と激しく戦う数少ない政治評論家であるからだ。政治において重要なことは、どちらの陣営に属しているかである。同じ陣営でわずかな違いを論(あげつら)うことに私はあまり意味を感じない。大切なことは敵を倒すことである。その森田氏が“道路特定財源ネコババ論”を述べていた。

「政は正なり」(論語)

「税」は国民と政府との関係において最も重要なものである。新たな「税」の導入は国民の納得の上でなされなければならない。

国は国民をだますようなことをしてはならない。これが、政治の基本である。

道路特定財源の一般財源化とは、道路税として国に入ったカネの管理を国土国交省から財務省に移すということである。政府・与党は今後も道路建設を行うことを申し合わせた。これは一種の妥協の産物であるが、同時に財務省による当座の懐柔策であるように私には感じられる。。時が経てば次第次第に道路建設は縮小されることになるだろう。公共事業推進派の敗北、財政再建派の勝利といえよう。

道路特定財源は、道路建設のために、受益者負担を原則として設けられた目的税である。道路建設が政府の中心課題であった時代につくられた税制である。

国会と政府が「国として道路建設をする時代は終わった」と判断したのであれば(私はこの判断はまだ早いと思うが)、道路税制は廃止しなければならない。繰り返すが、受益者負担原則にもとづいて制定された目的税である道路税制は、目的が達成されたのならば税制そのものを廃止しなければならない。これが政治の筋である。別の用途への転用は一種の“ネコババ”である。

森田サイトの『森田実の時代を斬る』の2008年4月16日(その2)の論説をそのままの引用した。これこそ森田氏本来の主張の筈である。インターネットで道路特定財源の一般財源化に疑問を呈する意見はかなり見受けられるが、マスコミでは殆どみることができない。一貫して道路特定財源の暫定税率はおかしいといってきたのは、テリー伊藤氏くらいである。小沢民主党代表の“暫定税率廃止一本槍”は、ちょっとぶっきら棒で言葉足らずの感がする(苦笑)が、それで良いのだ!!

それでは、また。

  • 08年04月19日 01時45分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

白川勝彦OFFICE   白川勝彦へメール送信 ]

Valid XHTML 1.0 TransitionalValid CSS!Level A conformance icon, W3C-WAI Web Content Accessibility Guidelines 1.0

Copyright©K.Shirakawa Office 1999-2016 - Web pages Created by DIGIHOUND L.L.C. All Rights Reserved ©1999-2016
Powered by Nucleus CMS. Page designed by James Koster.Ported to Nucleus by Joel Pan. Re-design and adjusted by DIGIHOUND L.L.C. © 2006-2016