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分類「徒然」や「雑事論」について

08年02月28日

No.721

私の政治的主張はいつもかなりハッキリとしている。これは昔からの私のスタイルである。そのスタイルや理由を私は自覚した上でやっている。多少誤解が生じたいとしても問題の本質を提示し、問題の本質を訴えることの方が政治的には重要であると考えているからである。どこから誰がみても文句の付けようがない主張をしようと思ったのでは、確かに文句は付けられないが政治的インパクトは著しく減殺される。だから多少の誤解を招く可能性があったとしても、インパクトをもって問題の所在を訴えることの方をあえて優先しているのだ。誤解が生じた場合はその後で解消すれば良いと思っている。

永田町徒然草は政治的論調をすることの方が多い。道路特定財源の暫定税率(――ガソリン税の暫定税率)が国政の中心のテーマになってからは特にそうなった。道路特定財源の一般財源化などはすべての政党の主張と対立している。それなのに反対論や私の主張の誤りを指摘するメールはほとんど頂くことはない。ところがこのところ次のようなメールを相次いで頂戴した。

除草剤について

いつも楽しみに拝見しています。今回の「よそ道に逸れたお話」で触れられていた、除草について感じたことをお伝えします。

 日本国内で現在使われている除草剤や殺虫剤は、以前のように効き目だけを追求したものではなく、生態系を壊さぬよう配慮されたものが殆どです。もちろん全く人畜無害とか、薬剤の残留がまったくないなどとは言えませんが、薬剤の作り手も使用する農家も、薬害や生態系を無視できる状況ではなくなっているので、必要最小限に抑えたり、生態系へのダメージの少ない薬品を開発していたりするのです。そのせいか、最近はホタルやトンボなどが一時期と比べてだいぶ増えているようにも感じます。

 昔を懐かしむのは結構ですが、完全無農薬有機栽培というのは、やはり誰でも出来るものではないですし、そればかりが珍重されて、通常栽培(除草剤、殺虫剤、殺菌剤を使う)は自然破壊に繋がると短絡的に受け止めないでいただきたいとおもいます。そのような論調は決して生産者も消費者も幸せにしないと思うからです。

福井県越前市で農業をやっておられるSさん(53才)から頂いたメールである。昨日の永田町徒然草No.720「よそ道に逸れたお話」で、「そのヘイは枯らすが稲には害がない除草剤というのはかなり精巧(?)な除草剤なのであろう。害虫を殺す農薬にもいろいろな問題があるが、雑草をなくする除草剤もいろいろな問題がある」という私の主張に、率直にいって反論をされたかったのだと思う。私としてはかなり慎重に書いたつもりなのだが、Sさんにはちょっと気に触ることがあったのだろう。

私が慎重な言葉使いをしたのは、除草剤について専門的知識があったからではない。一昨年の冬に亡くなった農家に嫁いだ姉が私にいつもこういっていたからである。「無農薬、無農薬と学者や評論家はいうが、農薬を使わなければ野菜など実際問題として作れるものではない。無農薬、無農薬などという人は実際に畑で野菜を作ったことがない人がいうことだ」と。「精巧(?)な除草剤」などとこなれていない表現を使ったのもそういう理由からである。Sさんのご指摘をおろそかにしないつもりである。

メタンガスについて

メタンガスについて、どのような番組を御覧になったか存じませんが、かなり手抜きで偏った結果に導こうとした番組のようですね。

 米をつくるには水田が要ります。その水田もメタンガスを発生させます(参照:水田土壌の微生物について)。そして、土中のメタンは稲をストローのように介して大気中に放出されます。

 牛など反芻動物のゲップは確かに発生源の一つですが、つまり水田・反芻動物、そして白蟻も発生源です。また、温暖化で溶けるシベリアの凍土内にもメタンガスが含まれるといいます。

 ですので、水田での稲作が解というのは短絡です。確かに牛を養うには穀物が要りますが、それは必ずしも水田である必要はありません。一方、米をつくるには水田が必要です。ですから、肉よりも穀物というためにメタンのゲップを引き合いにだすのは間違いです。

 世界的な和食ブームで海外でも魚を消費するようになった結果、輸入買い付けで日本が競り負けることも増えているといいます。さらには、日本で作る米は(長粒種でないので)輸出できず、補助金として税を消費しながらメタンを出しています。当然、輸入経路での運搬のためのエネルギー消費も環境要素(トラックの排気ガスなど)ですね。輸入食品に頼る実態そのものが先ず問題ではありますが、先ずは国内の水田からメタン放出を止める工夫、そのための研究が急がれないといけません。本当に怖いのは、何であってもかまわないからとにかく食べられる、ということすら難しくなる状態でしょう。

 私は、和食だ洋食だなんて贅沢な余裕は、もはや我々日本人の食の選択肢にないのだと思っています。

このメールは永田町徒然草No.718「ひとつの極限としての江戸文化」で「最近みた番組では、牛や豚が出すゲップに含まれるメタンガスは二酸化炭素よりもはるかに温室効果があるガスだというのだ。私としては日本食にますます自信がもててくる(笑)」と書いたことについて、神戸市在住のKさんから頂いたご教示である。私も農村で育ったので、田んぼでメタンガスが発生することは知っている。米を食べることもメタンガス発生に加担するのだといわれると、いよいよ食べるものがなくなる(笑)。

政治的論述については、私の専門であるからそれなりに自信のあることしか書かないつもりである。また自信のあることだから、多少の誤解を招いたとしても問題の本質を理解してもらう上で枝葉末節のことならば仕方ないと思っている。政治的論争では、それはある程度仕方ないことである。永田町徒然草の最後に書いてある分類の「徒然」や「雑事論」で書くことについて、私はそれほどの慎重に書いている訳ではない。書く方もそんな気持ちで書いているので、読む方もそのことを頭において気軽にお読みいただきたい。そうしないと私は書けなくなってしまう。もちろん明らかな誤りや看過できない誤解を生じさせる場合には、今回のようにフォローするようにするのでご教示を頂きたい。

それでは、また。

  • 08年02月28日 12時13分PM 掲載
  • 分類: 1.徒然

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