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この戦いは必ず勝てる。その根拠

16年06月22日

No.1836

(ようや)く”というべきか、“遂に”というべきかは、人によって異なるであろうが、今日、6月22日、いよいよ参議院選挙が公示される。今回の参議院選挙は、過去のどの参議院選挙よりも重大な意味を持っている。わが国のあらゆる右翼的反動分子を掻き集め、自民党総裁に登り詰め、自公“合体”政権の首班として反動政治を傍若無人に強行している安倍首相に鉄槌を下すことが出来る選挙だからである。

自民党・公明党、そして自公“合体”政権である限り、わが国の政治が“真面(まとも)になることはないが、少なくとも、安倍首相は歴代首相の中で、その人間性においても、その知性と徳性においても、その政治手法においても、最悪最低の首相であることだけは間違いない。安倍首相は6月1日の記者会見でも、最近の党首討論等でも、勝敗ラインは“与党で過半数”と言った。

参議院選挙における公明党の獲得議席は極めて固く、平成22年は、9議席。平成25年は11議席であった。今回の選挙では、定数が増えた複数区があるので、12~13議席くらいは固いとみられる。安倍首相が目標とする「与党(すなわち自民党と公明党)で改選議席の過半数という数値」は、あまりにも低いと言わざるを得ない。この計算でいえば、自民党の獲得議席が47~48でも勝ったということになる。

かつての自民党においては、獲得議席が50を割った場合、総裁・総理は辞任していた。安倍首相がいくら公明党と合わせて過半数を獲得したと強弁しても、安倍首相は党内で大きな責任を問われるであろう。公明党と合わせて61議席を獲れなければ、間違いなく安倍首相は辞任しなければならなくなる。この可能性が、極めて高いのである

野党共闘が勝利する4つの理由   

1 今回の参議院選挙において、自公“合体”政権が敗北すると私が考える理由をいくつか述べてみよう。第一の理由は、安倍首相の政治のやり方が国民を無視してきたことである。それが頂点に達したのは、昨年秋の安保法制の強行可決だった。可決後、これからも分かり易く説明していくと言っていたが、この約1年間に安保法制がいかに妥当なものであるか、安倍首相は国民に向かって説明してきたであろうか。

国民と政府の間には、意見の違いがあるものである。例えば、税について国民の理解を得るのは、なかなか難しい。しかし、最終的な理解や賛同が得られなくとも、政府は倦まず弛まず、説明に努めなければならないのである。安全保障政策などは、政府が努力して説明すれば、国民はやがて理解を示してくれるものである。自衛隊の存在が国民から理解と賛同を得るようになったのは、そのような努力の結果であった。

国会の議席が一強多弱であるために、安倍首相は傍若無人であり過ぎた。自公“合体”政権など、国会では圧倒的な議席をもっているが、実際には、投票所へ足を運んだ人の25%の人々からしか支持を得ていないのである。安倍首相は、この単純な事実を理解しないで行動してきた。安倍首相本人は得意絶頂でいろんなことをやってきたが、“冗談じゃないぜ”と思う人が大勢いることを知らないのである。各種の世論調査で、野党の議席が伸びるのに期待する答えが多いのは、自公“合体”政権にとって致命的である。

2 第二の理由は、安倍首相が憲法改正を狙っているからである。昨年の安保法制の議論の中で、安倍首相の憲法観が極めて危険であることを国民は知ってしまった。安保法制の議論は、憲法9条に関することだったが、今回は9条だけではない。人権規定など、自由主義憲法の原理にまで争点が広がるのだ。基本的人権の尊重などは、既にわが国の社会や家庭の隅々まで浸み込んでいる。これを覆すことなど、多くの国民は決して許さないであろう

安倍首相は、憲法改正など自民党だけでできるものではないと盛んに言い訳をしているが、安倍首相のこういうペテン師的やり方に、多くの国民は「これは信用ならないぞ」と思っている。こういうことを言えば言うほど、国民の疑念は大きくなる。およそ、いま憲法改正を口にする者は、不純なのである。公明党・大阪維新の会・日本のこころを大切にする党・新党改革などは、所詮、危険な安倍首相の憲法改悪をはぐらかす存在以外の何物でもない

今回の参議院選挙においては、安倍首相が狙っている憲法改悪に賛成か、反対かで大きく国民の支持が分かれる。この戦いは、現代における天下分け目の戦いなのである。いい加減な立場は、許されなくなるのだ。公明党も“加憲”などといういい加減な立場は、許されなくなる。安倍首相の右翼的な改憲に本当に反対ならば、そう言わなければならない。野党もマスコミも、そこをハッキリさせなければならない。

第三極をウリにしてきた政党に票が入らないということは、野党共闘に票が入ることを意味する。自民党筋は、自民党に票が戻ってくると思っているようだが、そうはならないのだ。これまで、いろいろな第三極政党が生まれては消えていったが、これらの政党を支持した人々は、そう簡単に自民党支持に戻らないのだ。今回の選挙で、これまで“第三極”として相当の票を獲得してきた政党が苦戦していることが、自公“合体”政権が苦戦している原因なのである。

3 自公“合体”政権が苦戦している第三の理由は、野党共闘・野党統一候補が、32ある1人区すべてで実現したことである。共産党は、ほとんど…いや、絶対に当選しないと思われる選挙でも、これまで、候補者を立ててきた。それが今回、香川県を除きすべての1人区で共産党は候補者を立てていないのである。香川県では、共産党候補が野党統一候補となった。選挙に少しでも関心のある者なら、その意味を知っている。

安倍首相は、盛んに「野党共闘の中には、共産党が入っているじゃないか」と口汚く攻撃しているが、それは、ほとんど功を奏さないであろう。衆議院で3分の2を超える巨大与党に対し、野党が戦いを挑むのに共産党と一緒になるのは当たり前じゃないかと、多くの国民は思っている。「安倍さん。自民党と公明党は、どうしていつも一緒なの。政教分離という大原則はどうしたんですか」と、多くの国民は疑問を新しくしている。

4 今回の参議院選挙で、野党、そしてこれを支持する国民が勝つ第四の理由は、与党と野党の“顔の違い”“格の違い”である。言うまでもなく、与党の“顔”は、安倍首相と山口公明党委員長である。安倍首相の表情は、もう死んでいる。いろいろな数字を挙げて、必死に弁明しているだけである。自信が溢れ出ている感じは、少しもしない。山口公明党委員長のブレーキ役発言も、もう誰も信じてはいない。端正な顔であるのは事実だが、却って“下駄の雪”に過ぎないことを印象付けるだけである。

いっぽう、野党4党首の顔はどうか。一人ひとりにはいろいろと意見があろうが、野党4党首が一緒に映ると、実に力強く逞しく見える。同時に、迫力もある。社民党と生活の党と、山本太郎となかまたちは、かなりギリギリのところまで追い詰められているが、小沢一郎氏の存在感と社民党というブランドは、捨てたものではない。野党そのものも、今回の参議院選挙を機に大きく再編されていくであろう。それも今回の参議院選挙に課せられた大きな役割だと、私は思っている。

野党共闘 ─ 野党統一を可能にしたのは、昨年の安保法制や反原発の運動の中で形成されていった国民・市民の連帯であった。これらの運動で、国民や市民はスマホやインターネットを通じて、その輪を拡げていった。いわゆるネットワーク戦線が出来たのだ。ネットワークとは、網のような組織をいう。上命下服の、ピラミットで動く組織ではない。現代の選挙は、もう上命下服ではダメなのだ

野党共闘には、このような市民連合や国民連合が付いている。問題は、このネットワーク型の人々がどれだけスマホやインターネットを駆使して行動してくれるか、だ。そこに、今回の参議院選挙の勝敗が懸っている。これに関していえば、「相当に期待できる」と、私は言いたい。それは、当白川サイトのアクセスを見ていれば良く分かる。まるで、民主党政権ができた時のような反応なのだ。これについては、近いうちに改めて述べる。

最後に一言。6月23日、イギリスでは、EU問題について国民投票が行われる。その結果には、世界中が注目している。去る6月19日、沖縄ではアメリカ軍属の強姦殺人事件に抗議する県民大集会が開催され、6万5000人が集まった。6月23日には、沖縄戦全戦没者追悼式が行われる。改めて、第二次世界大戦の記憶が蘇ってくる。ちなみに、今日6月22日は、私、白川勝彦の71歳の誕生日である。71年の私の生涯を懸けたメッセ―ジとして、この論を結ぶ

それでは、また。

  • 16年06月22日 02時44分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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