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今回の解散の原点は !?

12年11月16日

No.1537

一昨日から、急に寒くなった。いま、電気の通る“膝掛け”を取り出して、使い始めたところだ。暖かい。一昨日は一日中忙しくて、党首討論やニュースを見ている時間がまったく無かった。「11月16日解散」というニュースだけは聞いたが、詳しいことを知ったのは、午後11時を過ぎて、帰宅してからだった。昨日、国会では特例公債法案・0増5減の公職選挙法改正案などが衆議院を通った。今日は参議院で可決され、法律となるという。総選挙を睨み、政党や政治家の離合集散が、慌ただしく報じられている。

これまでの約40年間、私は、解散・総選挙と深く関係していたため、かなり詳しく知っているつもりであるが、何から何まで、今回の解散劇は特別である。民主党政権だからなのか、野田佳彦首相だからなのかは分からないが、“特に格別”であることだけは確かだ。このようなドタバタ劇がこれからは当たり前になっていくのか、それとも今回だけが格別なのか、私には分からない。解散総選挙は、憲法が変わらない限り、これからも2~3年に一度は行われる。せめて、真っ当な解散・総選挙くらいはやって貰いたいものだ。

物事の本質が見えなくなったり分からなくなった時には、原点に返ることが必要である。この数ヶ月間、バカのひとつ覚えみたいに、自公両党は“近いうちに解散せよ”と叫んでいた。今回の解散が、それが具体化したものであるのは、誰も否定しないであろう。そもそも、なぜ、“近いうちに解散”が求められたのだろうか。それは、「消費税の10%アップ」を、自公民3党で成立させたからである。13兆円もの大増税なのであるから、本来は、総選挙で国民の信任を受けてから行うべきものであった。

自民党は、前回の総選挙や参議院選挙で、公約に掲げていた。だからといって、選挙で勝った訳ではないのであるから、自民党は、消費税を10%にするのを、当然のように主張することはできない。民主党の場合は、特に問題だ。前回の総選挙で「選挙後の任期中に、消費税は増税しない」と明言していたからである。野田首相の“シロアリ演説”は、今年もっとも多く閲覧された、政治的なYouTubeであろう。

衆議院で圧倒的多数をもつ民主党は、消費税増税法案を提起する前に、衆議院を解散して国民の信を問う必要があった。13兆円もの大増税をする以上、それはごく当たり前のことだし、そうしないと、国民の税金についての信認は得られない。税の問題は、民主主義の基本である。自公“合体”政権が政権の座から追われた大きな原因のひとつは、道路特定財源の暫定税率の存続だった。その額は、年3兆円であった。民主党政権が国民の期待を失ったのも、この問題をうやむやにしたからであった。

従って、今回の総選挙でいちばん重要なのは、消費税の10%アップに対する各党の公約・マニフェストである。「すでに消費税を10%にする法律が通ったのだから、これはもうどうにもならないだろう」と考えている国民が多い。しかし、法律を作ったり廃止したりするのが、国会議員の仕事なのだ。消費税を10%とすることに反対の国会議員が過半数いれば、すでに成立した「消費税10%の法律」は廃止できるのだ。消費税を10%にしたい人、消費税が10%でも構わないという人は、そういう政党に投票すれば良い。反対の人々は、消費税10%アップに反対という党に投票しなければならない。

こう考えれば、離合集散する政党や候補者の選別は、いとも簡単であろう。消費税などは小さな問題だという御仁もいるが、実におめでたい政治家である。これまでの政治の流れを知らない人だ。「新たに頂く13兆円は、その全部を社会保障に使うのだ」という政党や政治家は、信用しない方が良い。成立した法律でも、現にそうなっていないし、13兆円に群がるシロアリは、ゾロゾロいるのだ。私の基本的な考えは、「税金の少ない国家こそ、最高の福祉国家なのだ」というものである。これは、自由主義者としての信念である。

無駄な予算を切れ・行政改革を徹底的にせよといわれるが、「最高の行政改革は、行政に予算を与えないこと」というのが、長い国会議員の経験に基づく、私の確信である。ごちゃごちゃ・ゴタゴタしているモノや時こそ、原点に返ることが必要である。原点に立ち返れば、本質が良く見える。(まが)い物を見つけるのも、容易(たやす)い。この1ヶ月の間、国民は、政治や政治家を見究めなければならない。それにしても、その判断材料を供する責任のあるマスコミのお粗末さには、腹が立つ。

今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。

  • 12年11月16日 12時52分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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