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税金投入の要件

08年12月13日

No.1019

アメリカ連邦議会の上院は、“ビッグ3”への公的資金の投入を事実上拒否した。いっぽう、わが国では金融機能強化法が例の3分の2条項で再可決された。また日経平均株価は-484円68銭だったが、NYダウ平均は+64.59ドルだった。あなたはこの単純な事実をどう考えるか。


金融強化法、衆院で再可決成立 給油延長法に続き

補給支援特措法と金融機能強化法の両改正案が、12日の衆院本会議で、いずれも与党の「3分の2」以上の多数で再可決され、成立した。関連しない複数の法案が1日のうちに相次ぎ再議決されるのは57年ぶり。

 衆院本会議に先立つ参院本会議では、過半数を握る野党の多数で、インド洋での給油活動を1年延長する補給支援特措法改正案を否決、金融機能強化法改正案の民主党修正案が可決された。同修正案は、ずさんな融資が表面化した新銀行東京を公的資金注入の対象外とする内容。衆院本会議では、この修正案を与党の反対多数で不同意としたうえで、衆院通過時の与党修正案を再可決した。

 再可決が続いたことに野党は激しく反発している。衆院本会議での討論で民主党の三谷光男氏は「再議決はあくまで例外的規定。直近の民意を受けた参院の議決否定は、二院制による議会制民主主義を踏みにじる暴挙に等しい」と批判。共産党の志位委員長も再可決後、「歳末一掃のようにバタバタと可決したのは、国会の歴史に汚点を残す」と記者団に語り、政府・与党の対応を強く非難した。 <asahi.com 2008年12月12日16時8分>

野党と『朝日新聞』が怒る“暴挙”は、57年ぶりのことだという。しかし、私たちはこの1年で4回も再可決を目撃した。憲法改正の動きはいまのところ沈静化しているが、いずれまた活発になるであろう。こんど憲法改正の動きが出るとき、右翼反動は憲法59条の改正も付け加えてくるのではないか。民主党のバカな国会議員もそれに賛同するのではないか。国益などという曖昧模糊とした言葉をもちだして…。

いろいろな論者が“100年に1度あるかないかの危機”だという。この危機の震源地は明らかにアメリカである。ビッグ3を救済しなければアメリカでは300万人の失業者がでると言われている。そのような法案に対してアメリカ連邦議会の上院はノーといったのである。いっぽう、わが国では“金融機能強化”などという訳の分からない名目で、銀行に公的資金を注入できる法律を再可決してまで成立させたのである。私はこの落差を問題にしているのである。

“派遣切り”からはじまって、わが国でも大量の失業者がでるであろう。銀行の金融機能を強化するとこれは収まるのだろうか。わが国の銀行にそんな良識や社会的責任感があると思っているのか。また、多くの人が“内需拡大”とか“個人消費を刺激しなければならない”という。個人消費を刺激すれば本当に失業問題は解決するのか。そもそも国家が個人消費を刺激することなど自由主義国家としてやるべきことなのか。

失業者の救済は、現代では政治の課題である。だからといって無闇矢鱈(むやみやたら)に税金を投入することが許される訳ではない。税金は国家が国民から収奪したお金である。その税金を使うことは極めて慎重でなければならない。失業者を直接救済するために使われるならば、納税者は納得するであろう。しかし、回り回って失業問題の解決に繋がるなどということに税金を使ってはならないのである。そういう税金投入=公的施策に群がって利益を貪る者が沢山いることを忘れてはならない。特にわが国の官僚は注意しなければならない存在である。自公“合体”政権も。

それでは、また。

  • 08年12月13日 09時50分AM 掲載
  • 分類: 6.経済

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