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  1. ワイドショーといわれる番組はどうでしょうか。かつては、午後3時頃の時間帯に奥さまをターゲットとするワイドショーが一般的でした。しかし、最近は午前8時頃から、正午から1〜2時間前後、伝統的な午後3時前後と、ほんとに多くなりました。私は特に観たいというワイドショーがある訳ではないのですが、これだけワイドショーがありますと、チャンネルをひねるとワイドショーという時間帯がかなりあります。

    それだけにワイドショーも、かつてのように確かにワンパターンではなくなりました。特色を出さないと視聴率が稼げないからでしょう。でも芸能関係のニュースというか、話題はあい変らずワンパターンという気はします。正式な記者クラブがある訳ではないのでしょうが、ここでも特落ち(特ダネの逆)さえしなければいいという風潮が強くなっているのでしょう。

    ワイドショーというと「政治のワイドショー化」ということが少し前、かなりいろいろな意味で使われました。最近は、かつて大流行したリベラルと同じように、この言葉はあまり耳にしません。田中外相の辞任劇が最後の出番だったでしょうか。しかし、ワイドショーが政治を取りあげてくれるというのは、政治の側としては本当は喜ばなければならないのだと私は思ってきました。いまや女性の政治意識は高く、また、女性は男性とは違った関心と感性をもっておられますから、女性の視聴者が圧倒的に多いワイドショーが政治を取りあげ、女性の政治についての関心と問題意識を高めることは、日本の政治にとって有意義なことだと思っています。ですから、ワイドショー的というか芸能番組的ではなく、政治問題を常時しっかりと正面から扱って欲しいと思います。いまや、女性は決してワイドショー的に扱わなくとも、政治問題をしっかりと受け取る力をもっているのです。

    ワイドショーというと作る方も見る方も、女性のための番組という既成観念が一般的なような気がします。しかし、いまは必ずしもそうではないのではないかと、私は思っています。いま私は浪々の身ですから、ワイドショーの時間帯にテレビを見ることも多いのですが、年金生活者が増えてきていますから、こうした男性もけっこうワイドショーを見ていると思います。いや、ほとんどの局が同じ時間帯にワイドショーを放送する現在のような状態だと、見ざるを得ないのです。そうすると、女性の関心ある話題だけ取りあげるというのは、いかがかなものでしょうか。最近は、このことに気が付いたワイドショーがいくつかでてきましたね。いいことだと思います。

    それにしても、健康というのは一般的な関心事なんですね。正午はどなたもニュースをご観になることが多いと思うのですが、それから何を観るかです。みのもんたの『おもいッきりテレビ』は私もよく観ます。特に観たい番組がなければ、これを観ます。一番最初の、健康を取りあげたものもいいのですが、その次の「今日は何の日」はたいへんいい番組だと思います。扱うテーマが広く、はじめて知ることも多くあります。そのまた次の「なんだかそれよさそう」も、その地方の雰囲気が感じられます。もう少しその地方の紹介をすると、もっと良いものになるような気がします。この番組であれがいいとなると、翌日のスーパーやデパートは売り切れになるのだそうです。こうなるとこうした店の仕入れ係は、この番組を観ることも大きな仕事なのでしょうね。

  2. 教養番組というのでしょうか。ここでは、歴史や社会問題や科学などを正面からとえた番組のことをいいます。こういう番組が日本のテレビでは、ちょっと少なすぎると私は思います。NHKの『プロジェクトX』などは、DVDが売っているくらいですから、視聴者の関心が高い証拠です。私も観れる時は、必ず観るようにしています。最近ちょっとネタ切れというか、かつて程の迫力がないような気がしないでもありませんが…でも、いいテーマを見つけて、ぜひ続けていってもらいたい番組ですね。同じくNHKの『その時歴史が動いた』も、私の好きな番組です。私は、NHKの自然を扱ったものや、シルクロードものが大好きですし、いいものが多くあります。でも、放映時間が午後8時とか9時が多いため、生放送で観れることは少なく、深夜の再放送で観ることがほとんどです。

    民放にもこういう教養番組は皆無という訳ではありませんが、極めて少ないですね。教養番組は、いわゆるジャリタレという人を集めて、愚にもつかないことをワイワイガヤガヤするよりも費用と時間がかかります。しかし、テレビ局が公共の電波を使って商売していることを考えているならば、教養番組をもっと作って欲しいですね。免許を与える条件として、一定の時間は教養番組や教育番組を放送することを義務付けてもいいのではないかと、私は思っています。放送法は、「放送事業者は、テレビジョン放送による放送番組の編集に当たっては、特別な事業計画によるものを除くほか、教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない」(第3条の2の第2項)と定めているのですから、これは可能なのです。

    ドラマの項で述べましたが、わが国の放送番組も多少は外国に売れているのですが、その大半は実はこのような教養番組というか教育番組なのです。ドラマに比べれば、比較的一般性があるからでしょう。また現在放送されているこういう番組は、ドラマやワイドショーに比べれば、明らかに質が高いと思います。映像ソフトが売れる国になるというのは、先進国の一つの証明みたいなものです。また優れた映像ソフトを作るためには、総合的な力が必要なのです。国際的競争力のある商品を作るというのは、工業の世界ではいまや当然の前提なのですが、どうして映像の分野ではこういう問題意識がないのでしょうか。加工貿易立国の固定観念からなかなか抜け出せないのでしょうね。

    夜12時を過ぎてテレビのチャンネルを回すと、私には何が面白いのかぜんせん分らない番組が放送されています。本当に面白いものならば、年齢や性別や職業を問わず引き込まれるものだと思うのですが、特殊な人々(その大半は若い人をターゲットにしています)にしか興味のない、また特殊な人々にしか分らない番組を、ほとんどの民放が流しています。多少は放送について関心をもち、勉強してきた者からみたならば、明らかに制作費を安くおさえるために作った番組だと分ります。「いい加減、勘弁してくれよ」という気持になります。深夜は視聴率が低いので、あまり制作費をかけることができない事情は分かります。だったら、その局がもっているいい物を再放送するばいいのではないかと思います。深夜テレビをみる人は、逆にゴールデンアワーに流された、高い制作費をかけた良い番組は、意外に観ていないのです。

    ですから、深夜テレビを観るときは、圧倒的にNHKが多くなるのですが、結構いい番組をやっています。多くは教養番組や教育番組です。もちろんほとんどは再放送ですが、いいものは多少時間がたっても十分に鑑賞にたえますし、テーマがテーマですから、多少時間がたっても少しも差し支えないのです。これでいいのだと私は思います。しかし、NHKまでも民放よろしく特殊な人々にしか興味のない、また理解できない番組をやっている時もあります。そうなったら、テレビのスイッチを切るしかありません。せめてどこか一局でもいいから、観るにたえる番組(それは人によって異なるでしょうし、異なっても当然です)を流していてもらいたいものです。

  3. 私がNHKの放送を見る大きなの理由の一つは、コマーシャルがないからです。わが国の民間放送は、コマーシャルを流す時間が多すぎるのではないでしょうか。民放が広告収入で経営されていることくらいは、誰でも知っていますが、だからといって、これだけコマーシャルを流すことはないと思います。コマーシャルには、商品に関する情報を流すという一面もあるのですが、それにしては、あまりにも同じ会社の同じ商品のコマーシャルが多すぎます。テレビの場合、コマーシャル料が高いために、一部の会社しか実際には宣伝の媒体として使えないのではないかと思います。同じ会社の同じ商品の宣伝は、コマーシャルというよりマインド・コントロールを狙っているのではないかという感じすらします。

    私はコマーシャルについては、総量規制をしてもいいのではないかと思います。また、マインド・コントロールを狙っているような同一商品のコマーシャルには一定の制限を設けてもいいのではないかとも思っています。さらに、コマーシャルの料金が高いために、テレビによる宣伝ができない会社のために、一定の時間帯を安価に提供することも義務付けてもいいのではないかと考えます。もちろん、社会的有用性などを加味した、公正かつ公平な客観的基準は必要でしょう。しかし、そんなものを作るのは、そんなに難しいことではないと思います。

    それから、外国資本のコマーシャルについては、一定の比率を設けることも真剣に検討すべき時期がきているのではないかと感じます。NTTなどは、外資規制があります。それに比べるならば、放送が社会に及ぼす影響は、これよりもはるかに大きいがあります。テレビと政治の項で述べたとおり、時には政変を起こす力が放送にはあるのです。また、豊かな民族性や国民性を作るうえでも、大きな影響力をもっています。要するに放送は、わが国の政治・社会・文化に大きな影響力をもっているのです。私は国粋主義者の対極の政治的立場に立つ者ですが、わが国固有の利益や国民性や民族性はあると考えています。最低でも、ニュースや報道番組については、一定の規制は考える必要があるでしょう。既に、ニュース番組のスポンサーになっている外国資本が、現にあります。

    もう一つ、コマーシャルを流す時間帯です。ある局がコマーシャルを流す時間帯は、他の局もほとんどコマーシャルを流しています。私は新聞の番組表を見ながらテレビを観るほどではないので、コマーシャルが流される時間に他のチャンネルを見るのですが、他の局もコマーシャルを流していたのでは、せっかくいい番組を流していたとしても、これを知ることが出来ないのです。民放各社が談合して、視聴者の囲い込みをしているのではないかという気さえします。これでは、競争がなくなりますから、切磋琢磨は起きないでしょう。これはよくないことです。こんなことですから、私はコマーシャルの時間は、NHKを見たり、こまごまとしたとした雑用をするいい時間帯と諦めています。

─ つづく ─

白川勝彦

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